切除不能な大腸がんを対象に「ロンサーフ+ベバシズマブ」併用療法を評価するPRABITAS試験を開始

2024/02/27

文:がん+編集部

 切除不能な大腸がんを対象に「トリフルリジン・チピラシル(製品名:ロンサーフ)+ベバシズマブ」併用療法の投与法を評価するPRABITAS試験を開始。PRABITAS試験は、新たな臨床試験手法であるプラグマティック(実用的)臨床試験として行われます。

プラグマティック臨床試験、実臨床に近い条件かつ多様な医療機関と患者さんを対象にすることで日常診療での治療方針決定に直接活用できると期待

 愛知県がんセンターは2023年12月25日、PRABITAS試験を開始したことを発表しました。

 PRABITAS試験は、切除不能な大腸がんを対象に、「トリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブ」併用療法において、28日サイクルの従来法と14日サイクルの隔週法の2つの投与法を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、奏効割合、病勢コントロール率、治療成功期間、有害事象発生割合などです。

 PRABITAS試験は、プラグマティック(実用的)臨床試験として実施されます。プラグマティック臨床試験は、参加基準や治療・検査に対する規定などを最小限に抑えることで、実際の医療現場に近い条件で行われ、多様な医療機関と患者さんを対象に、日常診療での治療方針決定に直接活用できる結果を得ることが可能とされています。今回の実施によって、患者さんと医療者の双方に負担が少なく、効率的な臨床試験手法の可能性が示され、新しい治療法の開発が促進されることが期待されます。

 同センターは今後の展望として、次のように述べています。

 「この試験により、隔週法の有効性と安全性が明らかになれば、副作用が少なく簡便な新たな標準治療を提供できるようになります。さらに、プラグマティック臨床試験のメリットや課題の解明により、患者さんと医療者の負担をできる新たながん臨床試験を提供でき、効率的な治療開発が可能となることで、今後の新しい治療の開発が促進されます。愛知県がんセンターは、臨床試験の近代化を目指し、新しい臨床試験・治験モデルの開発に取り組んできました。昨年からは、日本初の完全リモート治験も実施しています。今回、日本初となる新たな臨床試験手法であるプラグマティック臨床試験を開始し、今後もより一層がん研究・医療の進歩に貢献します。この画期的な試験が、がん臨床試験の未来への重要な一歩となり、患者さんと医療コミュニティに希望を与えるものと期待しています」