高リスク子宮内膜がんを対象に、「キイトルーダ+化学療法±放射線治療」を評価したKEYNOTE-B21試験の結果を発表

2024/07/05

文:がん+編集部

 根治手術後に新たに高リスク子宮内膜がんと診断された患者さんを対象に、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法±放射線治療」による術後補助療法を評価したKEYNOTE-B21試験の結果を発表。主要評価項目の無病生存期間の延長が認められませんでした。

「キイトルーダ+化学療法±放射線治療」、「プラセボ+化学療法±放射線治療」と比較して無病生存期間を改善せず

 米メルク社は2024年5月9日、KEYNOTE-B21試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-B21試験は、根治手術後に新たに高リスク子宮内膜がんと診断された患者さん1,095人を対象に、「ペムブロリズマブ+化学療法±放射線療法」による術後補助療法と「プラセボ+化学療法±放射線療法」による術後補助療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、全生存期間、副次評価項目は安全性などでした。

 中間解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法±放射線療法」は「プラセボ+化学療法±放射線療法」と比較して、事前に規定された無病生存期間の統計学的基準を満たせず、優越性が達成されませんでした。そのため、もう1つの主要評価項目である全生存期間に関しては、正式に検証されませんでした。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのガーセル・アクタン博士は、次のように述べています。

 「期待した結果は得られませんでしたが、すでに適応症として承認されている進行子宮内膜がんにおけるキイトルーダの役割を引き続き拡大することに注力しつつ、子宮内膜がんや他の婦人科がんに対するキイトルーダの併用療法や抗体薬物複合体など他の候補薬の臨床研究を速やかに進めていきます。この試験に参加してくださったすべての患者さんや治験担当医師、共同研究者の皆様に感謝します」