慢性リンパ性白血病を対象、一次治療としてI+V療法を評価したCAPTIVATE試験の結果を発表
2024/08/20
文:がん+編集部
慢性リンパ性白血病を対象に、一次治療として「イブルチニブ(製品名:イムブルビカ)+ベネトクラクス」固定期間併用療法(I+V療法)を評価したCAPTIVATE試験の結果を発表。臨床的に意義のある持続的な有効性が認められました。
I+V療法、5年時点の無増悪生存率67%・全生存率96%
Janssen-Cilag International NV社は2024年6月14日、CAPTIVATE試験の追跡調査の結果を発表しました。
CAPTIVATE試験は、ハイリスク疾患の患者さんを含む71歳以下で未治療の慢性リンパ性白血病患者さんを対象に、微小残存病変コホート(年齢中央値58歳)とI+V療法を行うコホート(年齢中央値60歳)の2つのコホートで評価した第2相試験です。I+V療法コホートの主要評価項目は完全寛解率、微小残存病変コホートの主要評価項目は1年無病生存率でした。
追跡期間の中央値61.2か月の解析において、I+V療法では5年時点で67%の患者さんが無増悪で生存していました。特に、最長5.5年の追跡期間を経ても無増悪生存期間は中央値に達しておらず、持続的な病勢コントロールが示唆されています。全患者さんの5年全生存率は96%でしたが、ハイリスクな遺伝子変異(17p欠失、TP53変異または複雑な染色体異常)がある患者さんの全生存率は90%で、ハイリスク遺伝子変異がない患者さんでは100%でした。
さらに、血液および骨髄での微小残存病変が検出不能な状態を達成した患者さんでは、予後改善と関連していました。投与終了3か月後に骨髄での微小残存病変検出不能を達成した患者さんの5年無増悪生存率は84%であったのに対し、微小残存病変検出不能を達成しなかった患者さんでは50%でした。
I+V療法後に再発した限られた患者さんでは、その後のイブルチニブをベースとする治療は、ハイリスク遺伝子変異がある患者さんであっても、許容可能な安全性プロファイルとともに、持続的な奏効をもたらすことが示されました。
安全性に関しては、I+V療法における新たな安全性シグナルは認められませんでした。後治療中の有害事象は、イブルチニブ単剤療法およびI+V療法における既知の安全性プロファイルと一貫していました。イブルチニブをベースとするレジメンでの再治療時に最もよく見られた有害事象は、下痢、高血圧、発熱、上気道感染症、悪心などで、重篤な有害事象が5人で報告されました。
治験責任医師である、サン・ラッファエレ生命健康大学およびIRCCS サン・ラッファエレ病院のPaolo Ghia医学博士は、次のように述べています。
「5年以上を経て、CAPTIVATE試験の結果は、ハイリスクの遺伝子変異を有する患者さんを含む、慢性リンパ性白血病患者さんにおける一次治療としてのイブルチニブとベネトクラクスのI+V療法の持続的な有用性を示しています。すべてが経口投与であり、化学療法を行わないこのI+V療法は、病勢を効果的にコントロールしながら、無治療期間を延長するというベネフィットを患者さんにもたらすことが期待できます」