アレセンサ、ALK陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法として国内承認
2024/10/04
文:がん+編集部
ALK陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法として、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)が国内承認されました。
アレセンサ、化学療法と比較して再発または死亡リスクを76%低減
中外製薬株式会社は2024年8月28日、アレクチニブについて「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」に対する適応追加の承認を厚生労働省から取得したことを発表しました。今回の承認は、ALINA試験の結果に基づくものです。
ALINA試験は、ステージ1B~3AのALK陽性の非小細胞肺がんを切除した患者さん257人を対象に、術後補助療法としてアレクチニブとプラチナベースの化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、副次的評価項目は全生存期間、有害事象などでした。
試験の結果、アレクチニブは化学療法と比較して再発または死亡リスクを76%低減し、無病生存期間の改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと同様で、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
同社の代表取締役社長 CEOの奥田 修氏は、次のように述べています。
「当社創製のアレセンサが、ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法を対象に、米欧に続き日本で適応追加の承認を取得したことを大変嬉しく思います。早期非小細胞肺がんにおいては、腫瘍切除手術を受けた患者さんの約半数が再発する可能性があるとされています。今回の適応拡大により、国内のALK陽性の非小細胞肺がん患者さんにおいて、術後の再発リスクを下げるだけでなく、がんの完治や長期の生存が期待できるようになると確信しています。これにより、患者さんとそのご家族の人生の質が大きく向上するものと考えています。引き続き迅速な適正使用情報の提供に努めてまいります」