HER2遺伝子変異非小細胞肺がんを対象に「BAY 2927088」を評価したSOHO-01試験の結果を発表
2024/10/24
文:がん+編集部
HER2遺伝子変異非小細胞肺がんを対象に、治験薬BAY 2927088を評価した第1/2相SOHO-01試験の結果を発表。安全性と予備的有効性が認められました。
客観的奏効率72.1%、奏効期間・無増悪生存期間の中央値はそれぞれ8.7か月と7.5か月で予備的有効性を確認
バイエル社は2024年9月9日、第1/2相SOHO-01試験の結果を2024年世界肺癌学会で報告したことを発表しました。
SOHO-01試験は、HER2遺伝子変異陽性の1種類以上の全身療法後に病勢進行が確認され、HER2標的治療が未治療の非小細胞肺がん44人を対象に、BAY 2927088の安全性と有効性を評価した第1/2相試験です。有害事象、客観的奏効率、奏効期間、無増悪生存期間などが評価されました。
解析の結果、客観的奏効率は72.1%(完全奏効率2.3%)、奏効期間および無増悪生存期間の中央値は、それぞれ8.7か月と7.5か月でした。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、管理可能でした。グレード3の有害事象が40.9%で報告されました。最も多く報告された有害事象は、下痢(86.4%、グレード3が25.0%)、発疹(グレード1、2が43.2%)、爪周囲炎(グレード1、2が25.0%)でした。有害事象により6.8%が治験薬の投与を中止しました。
SOHO-01試験の治験責任医師であるテキサス大学MDアンダーソンがんセンターのXiuning Le氏は、次のように述べています。
「HER2遺伝子変異非小細胞肺がんは、若年で喫煙歴のない人が罹患しやすく治りにくい疾患です。BAY 2927088は奏効率と奏効期間の両方で有望な予備的有効性を示すとともに、管理可能な安全性プロファイルを示しており、標準治療を向上させるための継続的なイノベーションの重要性を強調しています」