アベマシクリブ、進行乳がんの初回治療としてFDAが追加承認

文:がん+編集部

ホルモン陽性・HER2陰性の進行または転移性乳がんの閉経後女性患者さんへの初回内分泌治療法

 米イーライリリーは2月26日、アベマシクリブとアロマターゼ阻害剤(AI)との併用療法を、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)の進行または転移性乳がんの閉経後女性患者さんへの初回内分泌療法として、米国食品医薬品局(FDA)が適応追加承認したと発表しました。

 アベマシクリブは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4および6 に対する阻害剤です。2017年9月に、内分泌療法後に増悪したHR+、HER2-進行または転移性乳がんの女性患者さんに対する抗エストロゲン薬であるフルベストラント(製品名:フェソロデックス)との併用療法として承認されており、転移性乳がんへの内分泌療法および化学療法後に増悪したHR+、HER2-進行または転移性乳がんの成人患者に対する単独療法としてもFDAに承認されていました。

 今回の適応追加承認は、「MONARCH 3試験」の結果に基づくものです。MONARCH 3試験は、進行乳がんに対する全身治療歴がないHR+、HER2-進行乳がんの閉経後女性493例を対象に、初回内分泌療法としてのAIと併用したアベマシクリブを評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験です。

 MONARCH 3試験の結果、アベマシクリブ150mg+AIを連日投与スケジュールで1日2回経口投与したことにより、転移性乳がんに対する初回内分泌療法を受けた患者さんの無増悪生存期間(PFS)の中央値が28.2か月(95%CI:23.5~NR)に対して、プラセボ+AI群は14.8か月(95%CI:11.2~19.2)(HR:0.54、95%CI:0.418~0.698、P<0.0001)でした。

 アベマシクリブ+AI群で測定可能病変がある患者さん267例において、奏効率(ORR:完全奏効(CR)+部分奏効(PR)、PRは標的病変が30%以上縮小と定義)は55.4%(148例、95%CI:49.5~61.4)でした。このうち、PR患者さんは52.1%(139例)、CR患者さんは3.4%(9例)だったとしています。これと比較して、プラセボ+AI群で測定可能病変がある患者さん132例のORRは40.2%(53例、95%CI:31.8~48.5)で、全てがPR患者さんでした。奏効期間(DoR)中央値はアベマシクリブ+AI群では27.4か月(95%CI:25.7~NR)、プラセボ+AI群では17.5か月(95%CI:11.2~22.2)でした。

 ベイラー大学医療センター、テキサスオンコロジーおよび米国オンコロジーのJoyce O’Shaughnessy医師は、「アベマシクリブ+AIが、HR+、HER2-転移性乳がんの女性の腫瘍サイズを顕著に縮小させ、がんの増悪を遅延させたことを明らかにした今回の承認は重要です」とコメントしています。