免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブの副作用マネジメントアプリの提供開始

2018/10/23

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬「アテゾリズマブ」の治療を受ける患者さんの副作用マネジメントを目的とした治療支援アプリの提供が開始されました。このアプリは、患者さんと医療従事者のコミュニケーションを円滑にするSNSと連動したものです。

患者さんの日常的な体調や症状を医療従事者とタイムリーに共有

  中外製薬株式会社は10月18日、免疫チェックポイント阻害薬「アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)」の治療を受ける患者さんの副作用マネジメントを目的として、患者さんと医療従事者とのコミュニケーションを円滑にする多職種連携SNSと連動した治療支援アプリを開発し、提供を開始したことを発表しました。

 このアプリは、九州大学病院で使用されている免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連の有害事象のチェックリストを基に、医療介護従事者専用に開発された完全非公開型SNSを連携させたウェブアプリです。

 同アプリを監修した九州大学大学院呼吸器内科学分野教授の中西洋一先生は、「免疫チェックポイント阻害剤は、免疫関連有害事象が発現するなど、従来の化学療法とは異なる安全性プロファイルを有しており、患者さん、医療者それぞれにとって新たな課題となっています。この課題解決に向け情報通信技術の仕組みを活用することで、患者さんと医療従事者の距離が近づき、免疫関連有害事象の早期発見と対処を通じた重篤化の防止、さらには患者さんの安心感につながることが期待されます」とコメントしています。

 間質性肺炎、I型糖尿病、肝機能障害、甲状腺障害など免疫チェックポイント阻害薬特有の有害事象は、早期発見し早期に対処することが大切です。同アプリを使うことで、日常的な患者さんの体調や気になる症状をタイムリーに医療従事者と共有されるため、免疫関連の有害事象の早期発見と早期対処につながることが期待されます。

免疫チェックポイント阻害薬治療支援アプリの機能

  • 患者さんまたはご家族による、患者さんの体調・気になる症状の入力
  • 定期的入力のお知らせ通知機能
  • 入力された体調、気になる症状の医療チーム全体への共有
  • 気になる症状の程度に合わせた患者さん・ご家族・医療チームへのアラート表示
  • 医療者と患者さん・ご家族の間のコミュニケーション