進行がんの生命予後を推定 血液検査と心拍数・呼吸器回数を分析するだけ

文:がん+編集部

 進行がん患者さんの生命予後推定法が開発されました。誰でも生命予後を計算できるようになる可能性があるそうです。

30日後、56日後、90日後の生存確率の精度が特に高く

 筑波大学は11月22日、進行がん患者さんの生命予後推定法を開発したと発表しました。この研究成果は、同大医学医療系の浜野淳講師らの研究グループによるものです。

 研究グループは、日本国内の58医療機関の緩和ケア病棟に入院したがん患者さん、緩和ケアチームが関わったがん患者さん、在宅緩和ケアを受けたがん患者さん2426人を対象に、2012年9月から2014年4月までの期間で調査を行ったそうです。そのうち1039人の患者さんを対象に、血液検査データ、心拍数、呼吸回数を分析。その結果、7日後、14日後、30日後、56日後、90日後の生存確率を一度に計算できる方法を開発しました。この計算方法で推測された結果を検証したところ、30日後、56日後、90日後の生存確率の精度は特に高く、世界的に使われている従来の推測方法と比べても精度が高いことが明らかになりました。

 今回の研究対象は、緩和ケアを受けた進行がん患者さんのみのため、緩和ケアを受けていない進行がん患者さんでも活用できるかという点で、十分な検証は行われていません。そのため生命予後の推測結果は、専門家の判断も含めた総合的な解釈が必要という点で限界があります。また、患者さんや家族がいつでも生命予後を推測できることが、患者さん本人や家族にとって望まれることなのかなどの課題もあり、今後の議論が必要です。

 プレスリリースには、今後の展開として「本研究で開発された計算式が、他の進行がん患者でも、活用できるか?を検証したうえで、今後は、病気のステージや、受けている抗がん剤の種類ごとに、より精度の高い計算式を開発していく必要があります。また、本研究で開発された計算式を、医師がどのように活用し、計算式で出された結果を患者にどのように伝えていくのが良いかということは、具体的には検討されていないため、本研究結果を、現場で活用する方法も検証していく必要があります」と記載されています。