肝臓がんに対するキイトルーダとBSC併用の治験、統計学的に有意な改善は認められず

文:がん+編集部

 進行性肝細胞がんに対する、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)治験の結果が発表されました。全生存期間※1と無増悪生存期間※2の改善は認められましたが、統計学的に有意な改善は認められないという結果です。

全生存期間、無増悪生存期間ともに良好傾向はあったものの…

 米メルク社は2月19日、全身治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対する治療薬として抗PD-1抗体ペムブロリズマブとBest Supportive Care(BSC:最善の支持療法)の併用を評価するピボタル第3相試験KEYNOTE-240において、プラセボとBSCの併用群と比較し、主要評価項目である全生存期間および無増悪生存期間が達成されなかったことを発表しました。

 KEYNOTE-240試験は、全身治療歴のある進行性の肝細胞がん患者さんを対象とした治験です。ペムブロリズマブ+BSC群とプラセボ+BSC群を比較して、全生存期間と無増悪生存期間で評価されました。この試験の最終解析では、ペムブロリズマブとプラセボの比較では、全生存期間の改善が認められましたが、事前に設定した統計解析計画に従うと統計学的に有意な改善ではありませんでした。無増悪生存期間もペムブロリズマブとプラセボの比較でも良好な傾向でしたが、統計学的に有意ではありませんでした。なお、同試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していたそうです。

 同社の研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は「KEYNOTE-240試験で主要評価項目を達成できなかったことは残念ですが、全生存期間、無増悪生存期間、客観的奏効率は、ソラフェニブによる治療歴のある肝細胞がん患者さんに対する治療薬としてキイトルーダが米国で迅速承認を受ける根拠となった第2相試験KEYNOTE-224の結果と概ね一貫していました。この試験に参加してくださった患者さんと治験責任医師の皆さまに心から感謝します。肝細胞がんは多くの人が発症する、治療が困難な種類の肝臓のがんであり、私たちは今後も肝細胞がん患者さんのために取り組んでまいります」とコメントしています。

KEYNOTE-240試験

対象:進行性の肝細胞がん
条件:全身治療歴のある患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:二重盲検試験
登録数:414
試験群:ペムブロリズマブ+BSC
対照群:プラセボ+BSC
主要評価項目:全生存期間、無増悪生存期間
副次的評価項目:奏効率、病勢コントロール率、無増悪期間、奏効期間

※1:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※2:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。