リムパーザ、gBRCA遺伝子変異陽性、HER2陰性乳がんに対してEUで承認

文:がん+編集部

 gBRCA遺伝子変異陽性、HER2陰性の乳がんに対する治療薬として、オラパリブ(製品名:リムパーザ)が、EUで承認を取得しました。

リムパーザ、治験で病勢進行または死亡のリスクを42%低減

 アストラゼネカは4月19日に、生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の局所進行または転移性の乳がん患者さんに対する治療薬として、オラパリブがEUで承認されたと発表しました。今回の承認は、第3相臨床試験OlympiAD試験のデータに基づいたものです。

 OlympiAD試験は、オラパリブと医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリンあるいはビノレルビン)を比較して、有効性と安全性を評価した無作為化非盲検試験です。試験の結果、オラパリブは化学療法に比べて無増悪生存期間の有意な延長が認められました。無増悪生存期間の中央値は、オラパリブ群7.0か月、化学療法群が4.2か月、客観的奏効率はオラパリブ群52%、化学療法群23%という結果でした。

 オラパリブはEUで既に2つの適応承認を受けていますが、3つ目となる今回の承認の適応対象は、術前・術後補助化学療法、もしくは転移性のがんの治療薬としてアントラサイクリン系およびタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法の治療歴がある患者さんです。また、ホルモン受容体陽性乳がんの患者さんでも、内分泌療法中または内分泌療法後に病勢進行した場合、もしくは内分泌療法が適さないと判断された場合も対象となります。

 アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるデイヴィド・フレドリクソン氏は「今回のリムパーザの承認取得により、この難治性がんと闘う欧州の患者さんに対して、化学療法以外の選択肢として新たに経口分子標的薬を提供することが可能となりました。今回の承認によってBRCAやホルモン受容体、HER2などのバイオマーカーの発現を検出する検査の重要性が高まり、医療従事者が情報に戻づいて患者さんにとって最適な治療を選択するサポートにもなります」とコメント。

 また、MSDリサーチラボラトリーズのシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes氏は「今回の承認の根拠となったOlympiAD試験において、リムパーザは、化学療法と比較してgBRCA変異を有する転移性乳がん患者の無増悪生存期間を有意に改善しました。この新たな治療選択肢を欧州の患者さんに提供できることうれしく思うとともに、より良い治療アウトカムへの貢献となることを期待しています」とコメントしています。