がん疼痛に対する治験、非ステロイド性疼痛治療薬HP-3150が有効

2019/05/31

文:がん+編集部

 がん疼痛に対する非ステロイド性疼痛治療薬HP-3150(ジクロフェナクナトリウム)の治験の結果、有効性が確認されました。

HP-3150、経皮薬物送達システム技術でがん疼痛に対して持続的効果

 久光製薬は5月24日に、がん疼痛患者を対象としたHP-3150の第3相試験の結果を発表しました。非ステロイド性疼痛治療薬HP-3150とプラセボを比較した結果、有効性に関して統計学的な有意差が認められました。安全性に関しても、開発上の問題となる副作用は、認められませんでした。

 この治験の対象者は、各種がんの診断が確定し、告知されている患者さんのうち、がん疼痛のある患者さんです。同治験は、HP-3150とプラセボを比較し、主要評価項目として有効性を、副次的評価項目として有害事象および安全性(副作用の内容や頻度による)を評価する多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験です。

 HP-3150は、経皮薬物送達システム(TDDS)技術を用いて開発された、全身性の経皮吸収製剤で、安定した血中濃度を維持することで効果を持続させ、がん疼痛の新たな選択肢となることが期待されます。同社は、2019年度中の製造販売承認の申請を目指しています。