トリプルネガティブ乳がんに対するキイトルーダの治験、全生存期間を未達成

文:がん+編集部

 転移性のトリプルネガティブ乳がんに対するペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の治験の結果が発表されました。主要評価項目の全生存期間が達成されませんでした。

より早期のトリプルネガティブ乳がんに対しての研究開発は継続

 米メルク社は5月20日に、転移性トリプルネガティブ乳がんの2次治療または3次治療の単独療法としてペムブロリズマブを評価する第3相臨床試験KEYOTE-119の結果を発表しました。その結果、主要評価項目である全生存期間を達成できなかったそうです。

 KEYOTE-119試験は、ペムブロリズマブ単剤と化学療法を比較した治験で、主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、病勢コントロール率、奏功期間などです。転移性トリプルネガティブ乳がんの患者さん622人を対象に、医師が選択するカペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビンのいずれかによる化学療法とペムブロリズマブ単剤を1対1になるようグループ分けされ、評価が行われました。その結果、主要評価項目を達成できず、他の評価項目に関して正式な評価はされませんでした。安全性プロファイルは、これまでペムブロリズマブ単剤療法を受けた患者さんで報告されている試験の報告と一致しており、新たな安全性に関する懸念はなかったそうです。

 同社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は「転移性トリプルネガティブ乳がんは進行が早く、特に初回の標準療法後に増悪または再発した場合、治療の難しい疾患です。この単独療法の試験結果は残念ですが、トリプルネガティブ乳がん患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるため、この疾患のより早期段階におけるキイトルーダの研究や、化学療法との併用療法についての研究を引き続き進めていきます。この重要な試験に参加してくださった患者さんや治験責任医師の皆さんに感謝しています」と、述べています。

 また同社は、トリプルネガティブ乳がんに対するペムブロリズマブの現在進行中の3件の臨床試験を含め、社内外で協働していくつかの試験を進めていくとしています。