イミフィンジ、ステージ3非小細胞肺がんの治験で全生存期間を延長

文:がん+編集部

 切除不能なステージ3の非小細胞肺がんに対するデュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)の第3相臨床試験で3年生存率を調べた結果、全生存期間を長期的かつ持続的に延長しました。

イミフィンジ、追跡期間1年延長でも死亡リスクを31%低減

 英国アストラゼネカ社は6月2日に、切除不能なステージ3の非小細胞肺がんに対するデュルバルマブの第3相PACIFIC-2試験の3年生存率の結果を、米国臨床腫瘍学会で報告したことを発表しました。

 PACIFIC-2試験は、標準治療である同時化学放射線療法後に進行が認められなかった切除不能なステージ3の非小細胞肺がん患者さん713人を対象に行われた、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。本試験の主要評価項目は、無増悪生存期間と全生存期間、副次的評価項目は特定時点での無増悪生存期間、生存率、客観的奏効率、奏効期間です。今回発表された結果では、同時化学放射線療法後の3年生存率は、デュルバルマブ群57%、プラセボ群43.5%で、デュルバルマブによる長期的かつ持続的な全生存期間の延長が示されました。

 2018年9月に発表された2年生存率の解析結果では、デュルバルマブは死亡リスクを32%低減していました。追跡期間を1年延長した今回の結果では、死亡リスクを31%低減しており、一貫して長期的なデュルバルマブの有効性が示されました。

 患者さんの20%以上に見られた有害事象は、咳35.2%、疲労24%、呼吸困難22.3%、放射線性肺臓炎20.2%で、安全性と忍容性に関しては、前回の報告と一貫していました。また、有害事象により治療を中止した患者さんは、デュルバルマブ群15.4%、プラセボ群9.8%でした。

 フロリダ州タンパにあるモフィットがんセンター胸部腫瘍科の臨床研究ディレクターでPACIFIC試験の治験担当医師であるJhanelle Gray氏は「これまで切除不能なステージ3非小細胞肺がん患者さんの5年生存率はわずか15%から30%に留まっていました。同時化学放射線療法終了後3年時点においてPACIFICレジメンによる治療を受けた患者さんの半数以上が生存していることは注目すべき点であり、根治目的の治療の基準を引き上げる重要なマイルストーンを達成したといえます」と、述べています。

 同社は、ステージ1~3の非小細胞肺がんの根治治療としてデュルバルマブによる複数の臨床試験を実施しています。PACIFIC-6試験では、PACIFIC-2試験と同じ患者さんに対して、逐次化学放射線療法後のデュルバルマブ投与を評価しています。また、ステージ2/3の非小細胞肺がん患者さんを対象とした術前療法やステージ1~3の非小細胞肺がんを対象とした初回治療後の術後療法、非切除後のステージ1/2の非小細胞肺がん患者さんを対象とした根治的体幹部定位放射線治療後のデュルバルマブ投与など、複数の試験が行われています。