ポライビー、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応で承認申請
2022/01/14
文:がん+編集部
ポラツズマブ ベドチン(製品名:ポライビー)が、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応で承認申請されました。
ポライビー、R-CHOP療法と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示す
中外製薬は2021年12月10日、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応拡大で、ポラツズマブ ベドチンの承認申請を厚生労働省に行ったことを発表しました。今回の申請は、POLARIX試験の結果に基づくものです。
POLARIX試験は、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者さん879人を対象に、「ポラツズマブ ベドチン+R-CHP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)」併用療法とR-CHOP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)を比較して有効性、安全性、薬物動態を評価した第3相試験です。
主要評価項目は、無増悪生存期間でした。解析の結果、「ポラツズマブ ベドチン+R-CHP療法」はR-CHOP療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。安全性に関しては、これまでに実施された臨床試験で認められた結果と同様でした。
ポラツズマブ ベドチンは、がん細胞に発現しているCD79bタンパク質と結合することで、正常細胞への影響を抑えながら抗がん成分を選択的に届ける抗体薬物複合体です。
同社代表取締役社長 CEOの奥田 修氏は、次のように述べています。
「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の3割を占める最も多い病型ですが、R-CHOP療法以降、20年にわたり新しい治療法が登場してきませんでした。ポライビーとR-CHP併用療法が、標準治療と比較し病勢増悪までの期間を延長したことは、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫治療の転換点になり得ると考えています。この新たな治療レジメンを一日でも早く患者さんへお届けできるよう、承認取得に向け進んでまいります」