イミフィンジ、切除不能な胆道がんの治療薬として希少疾病用医薬品に指定

2022/03/10

文:がん+編集部

 デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)が、切除不能な胆道がんの治療薬として、希少疾病用医薬品に指定されました。

「イミフィンジ+化学療法」、進行胆道がんの一次治療として死亡リスクを20%低下

 アストラゼネカは2022年2月25日、デュルバルマブが切除不能な胆道がんの治療薬として、希少疾病用医薬品の指定を厚生労働省から取得したことを発表しました。希少疾病用医薬品指定は、患者数が5万人未満で、アンメットニーズが高い疾病の治療を目的とした医薬品に対して行われます。

 肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性胆道がん患者さん685人を対象に、一次治療として「デュルバルマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較する第3相TOPAZ-1試験が実施中です。

 2022年1月21日に米国臨床腫瘍学会の消化器がんシンポジウムで発表されたTOPAZ-1試験の中間解析の結果では、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間および無増悪生存期間の延長が認められました。

 同社の執行役員 研究開発本部長の大津智子氏は、次のように述べています。

 「今回の希少疾病用医薬品の指定は、10年以上もの間大きな進展がなかった進行胆道がんの治療に、イミフィンジと化学療法の併用療法という新たな治療選択肢をもたらす大切な一歩です。予後が不良な進行胆道がん患者さんの深刻なアンメットメディカルニーズの解消を少しでも早く実現するために、今回の希少疾病用医薬品の指定を取得できたことを非常に嬉しく思います」