カルケンス、慢性リンパ性白血病の適応で追加承認申請

2022/03/22

文:がん+編集部

 アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)が、慢性リンパ性白血病の適応で追加承認申請されました。

「カルケンス+ガザイバ」、病勢進行または死亡リスクを90%減少

 アストラゼネカは2022年3月7日、「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対するアカラブルチニブの製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、ELEVATE-TN試験の結果に基づくものです。

 ELEVATE-TN試験は、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんを対象に、アカラブルチニブ単剤または「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ(製品名:ガザイバ)」併用療法を、「クロラムブシル(製品名:リューケラン)+オビヌツズマブ」併用療法と比較した第3相試験です。主要評価項目は「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ」と「クロラムブシル+オビヌツズマブ」を比較した無増悪生存期間、副次的評価項目はアカラブルチニブと「クロラムブシル+オビヌツズマブ」を比較した無増悪生存期間でした。その他の副次的評価項目として、奏効率、次治療までの期間、全生存期間などが評価されました。

 解析の結果、「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ」またはアカラブルチニブは、「クロラムブシル+オビヌツズマブ」と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長を示し、「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ」は病勢進行または死亡リスクを90%減少、アカラブルチニブでも80%減少しました。

 同社の執行役員 研究開発本部長の大津智子氏は、次のように述べています。

 「今回の申請により、慢性リンパ性白血病治療におけるカルケンスのベネフィットをさらに拡大できると期待しています。慢性リンパ性白血病治療における課題として、『忍容性の維持と長期の症状コントロール』がありますが、第3相ELEVATE-TN試験のデータでは、カルケンスは良好な忍容性を維持し、臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長を示しました。カルケンスの単剤療法および併用療法が、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんにとって1日も早く新たな選択肢となるよう、引き続き努めてまいります」