多発性骨髄腫患者さんのための「こころと話そうプロジェクト」が開始
2022/04/08
文:がん+編集部
多発性骨髄腫患者さんのための「こころと話そうプロジェクト」が、開始されました。患者さん自身の希望や意見を明確にし、医師をはじめとする医療従事者とのより良いコミュニケーションに役立てることを目的としたプロジェクトです。
希望や想いを自分で書き、自分で受け取るという体験を通して、自分が大切にしている想いを見つめ直す
ヤンセンファーマは2022年3月24日、多発性骨髄腫の患者さんを対象とした「こころと話そうプロジェクト」を、血液がんの患者団体の協力の下、開始したことを発表しました。
同社は2021年3~4月、多発性骨髄腫の患者さんおよび医師を対象に多発性骨髄腫の患者さんと医師との治療決定におけるコミュニケーションに関する調査を実施。患者さんの65%が「医師の意見を取り入れ、自分自身で治療を決定したい」「医師と一緒に治療を決定したい」または「自分の意見も取り入れ、医師に決定してほしい」という意向があることが明らかになり、患者さん自身が治療決定に積極的に関わりたいと考えているという姿勢がうかがえました。また、症状や副作用があっても、患者さんがそれらを医師に伝えられていない主な理由について、医師側は「どのように伝えればよいか分からない(と思われる)から(57%)」「何を伝えるべきかわからない(と思われる)から(51%)」と捉えていることも明らかになっています。
そこで同社は、患者さん自身の希望や意見を明確にし、医師や医療従事者とのコミュニケーションにも生かせる支援として、「こころと話そうプロジェクト」を立ち上げました。
「こころと話そうプロジェクト」では、日々の生活をどのように過したいのか、何を大切にして生きているのかなど、希望や想いを多発性骨髄腫患者さん自身が書いた「こころレター」が、指定した日に自分に届きます。自分で書き、自分で受け取るという体験を通して、自分が大切にしている想いを見つめ直し、周囲に伝え話し合うことの重要性について考える機会になることを目的としています。
同社の代表取締役社長である關口修平氏は、次のように述べています。
「私たちは、患者さんに対し革新的な医薬品をご提供するだけでなく、患者さんの日々の生活における課題の解決に向け、Beyond Medicine(医薬品の提供を超えて)の考えのもと、さまざまな取り組みを行っております。この度のプロジェクトを通じ、多発性骨髄腫の患者さんと医療従事者とのコミュニケーションの充実に少しでも貢献できればと願っています」