進行胆道がんを対象に、イミフィンジ併用療法を評価したTOPAZ-1試験の追加調査の解析結果を発表
2022/10/21
文:がん+編集部
進行胆道がんを対象に、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)併用療法を評価したTOPAZ-1試験の追加調査の解析結果を発表。「デュルバルマブ+化学療法(ゲムシタビン、シスプラチ)」は、化学療法と比較して全生存期間の改善が認められました。
「イミフィンジ+化学療法」、化学療法と比較して死亡リスクを24%減少
アストラゼネカは2022年9月12日、TOPAZ-1試験の追加調査の解析結果を発表しました。
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性胆道がん患者さん685人を対象に、一次治療として「デュルバルマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主要な副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、安全性などでした。
6.5か月の追跡後の最新解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法」は、さらなる臨床効果を示し、化学療法と比較して死亡リスクを24%減少させました。全生存期間の中央値は、「デュルバルマブ+化学療法」12.9か月、化学療法11.3か月でした。また、2年経過時点での生存率は、「デュルバルマブ+化学療法」23.6%、化学療法11.5%で、2倍以上の患者さんの生存が確認されました。
安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3または4の治療関連有害事象については、「デュルバルマブ+化学療法」を受けた患者さんの60.9%、化学療法を受けた患者さんの63.5%で認められました。「デュルバルマブ+化学療法」の有害事象による中止率については、化学療法と比較しても上昇は認められませんでした。
ソウル国立大学病院の内科腫瘍専門医兼ソウル国立大学医学部の教授であり、第3相TOPAZ-1試験の治験責任医師でもあるDo-Youn Oh氏は、次のように述べています。
「約2年間の追跡期間において、イミフィンジと化学療法の併用療法が、進行胆道がん患者さんの全生存期間の中央値を標準治療より上回る結果が示されたことは非常に喜ばしいことです。この10年間、治療の進歩は限定的であり、患者さんは長らく、辛い予後に直面してきました。この免疫治療薬に基づく併用療法は、胆道がんの治療を変える可能性を初めて示すことができた治療法であり、新たな標準治療となり得ると期待しています」