HPVワクチン「ガーダシル」の世界的な影響と効果を検証した最新データを発表

2022/12/16

文:がん+編集部

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン「ガーダシル」の、世界的な影響と効果を検証した最新データが発表されました。特定のHPV型に関連する子宮頸部およびその他の疾患の減少が認められました。

ガーダシル、特定のHPV型に関連する子宮頸部およびその他の疾患が減少

 メルク社は2022年11月7日、「ガーダシル(R)」を用いたHPVワクチン接種の世界的な影響と効果を検証したシステマティックレビューが、Expert Review of Vaccines誌にオンライン掲載されたことを発表しました。

 今回のシステマティックレビューでは、2016年3月1日~2020年3月31日までに公表された138本の査読付き論文を対象に、アフリカ、アジア、欧州、オーストラリア、南米、北米の23か国の予防接種制度におけるガーダシルの影響と有効性が精査されました。

 精査の結果、ガーダシルの使用により、子宮頸部での高度(前がん)病変および軽度病変の割合が低下し、男性および女性における子宮頸部以外の特定のHPV関連疾患やHPV感染も減少していることが明らかになりました。

 同社バイスプレジデントで研究開発本部の観察・リアルワールドエビデンスセンターの責任者、Ravinder Dhawan氏は、次のように述べています。

 「ガーダシルは2006年に承認されて以来、世界各国の予防接種制度で広く利用されており、研究者が幅広い集団や状況におけるHPVワクチン接種の影響を評価することが可能となっています。公開されている100本以上の研究論文から得られたリアルワールドデータにより、ワクチンに含まれるHPV型の感染や関連疾患の減少が示され、特定のHPV関連の疾患やがんの発生を抑制していく世界的な戦いにおいて男性および女性へのワクチン接種を拡大していくための取り組みを強化する必要性が再認識されます」