進行性胸膜中皮腫の一次治療としてキイトルーダを評価したCCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果発表

2023/04/19

文:がん+編集部

 切除不能な進行または転移性の胸膜中皮腫の一次治療として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を評価したCCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果を発表。主要評価項目の全生存期間が達成されました。

「キイトルーダ+化学療法」、化学療法と比較して統計学的有意に全生存期間を改善

 米メルク社は2023年3月10日、切除不能な進行または転移性の悪性胸膜中皮腫の一次治療として、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法を評価したCCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果を発表しました。

 CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験は、切除不能な進行または転移性の悪性胸膜中皮腫患者さん440人を対象に、一次治療として「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第2/3相試験です。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、客観的奏効率、安全性、生活の質などでした。

 最終解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して、統計学的有意かつ臨床的に意味のある全生存期間の改善を認めました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。

 CCTGでIND.227 trial/KEYNOTE-483試験の研究責任者を務めるQuincy Chu博士は、次のように述べています。

 「手術や放射線治療だけではなかなか治療が難しい悪性胸膜中皮腫の患者さんに対する治療法はほとんど進歩していません。本試験の結果は、治療の選択肢が限られるこの疾患の患者さんに新たな変化をもたらす可能性があります」