KRAS G12C変異がある非小細胞肺がんを対象にルマケラスを評価したCODEBREAK200の結果をASCO2023で発表
2023/06/26
文:がん+編集部
KRAS G12C変異がある進行非小細胞肺がんを対象に、ソトラシブ(製品名:ルマケラス)を評価したCODEBREAK200試験の結果を、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会2023で発表。中枢神経系(CNS)病変の増悪までの期間が延長し、CNS病変無増悪生存期間の延長と頭蓋内奏効率の改善が認められました。
ルマケラス、ドセタキセルと比較してCNS病変増悪までの期間とCNS病変無増悪生存期間を延長
アムジェン社は2023年6月4日、KRAS G12C変異がある進行非小細胞肺患者さんを対象としたCODEBREAK200試験の新たな結果をASCO 2023で報告したことを発表しました。
CODEBREAK200試験は、KRAS G12C変異があり前治療歴のある切除不能な局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さん345人を対象に、ソトラシブとドセタキセルを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率、患者報告アウトカムでした。
解析の結果、ソトラシブはドセタキセルと比較して、CNS病変増悪までの期間が長く、CNS病変無増悪生存期間も長いことを示しました。
さらに、投与後のCNS腫瘍縮小効果の評価である脳転移病変の奏効率は、ドセタキセルと比較してソトラシブで2倍以上でした。
Tennessee OncologyのSarah Cannon Research Instituteで肺がん研究の責任者を務めるMelissa L. Johnson医師は、次のように述べています。
「残念ながら、CNS転移はKRAS G12C変異陽性進行非小細胞肺がんにおける一般的な合併症であり、患者の約30~40%に認められます。今回のCODEBREAK200の事後解析では、ソトラシブはCNS病変無増悪生存期間を5か月以上延長し、KRAS G12C変異を有する非小細胞肺がん患者の二次治療において臨床的に意味のあるベネフィットをもたらす可能性を示しました」