進行・転移性淡明細胞型腎細胞がんを対象にオプジーボ皮下注を評価したCheckMate-67T試験の結果を発表
2023/11/28
文:がん+編集部
進行または転移性淡明細胞型腎細胞がんを対象に、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とヒアルロニダーゼを配合した皮下注射剤を評価したCheckMate-67T試験の結果が発表されました。2つの主要評価項目が達成されました。
オプジーボ皮下注、オプジーボ点滴静注と比較して薬物動態と奏効率の非劣性を示す
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年10月19日、CheckMate-67T試験の結果を発表しました。
CheckMate-67T試験は、全身療法による治療歴がある進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん患者さん495人を対象にニボルマブ皮下注とニボルマブ点滴静注を比較した第3相試験です。主要評価項目はニボルマブ点滴静注との比較による、ニボルマブ皮下注の初回投与後28日目までの平均血清中濃度(Cavgd28)と定常状態における最低血清中濃度(Cminss)、副次的評価項目は奏効率などでした。
解析の結果、ニボルマブ皮下注は、Cavgd28とCminssにおいてニボルマブ点滴静注に対する非劣性が認められました。また、ニボルマブ皮下注は、主な副次評価項目である盲検下独立中央評価委員会の評価による奏効率でもニボルマブ点滴静注に対する非劣性が認められました。安全性に関しては、安全性プロファイルは点滴静注剤のものと一貫していました。
同社のバイスプレジデント兼グローバル開発プログラム責任者であるGina Fusaro博士は、次のように述べています。
「この10年間、点滴静注によるオプジーボは、複数の固形がんの治療に変革をもたらしてきました。しかし、患者さんの治療の負担を減らし、ヘルスケアシステムの効率化を進めるために、さらなる投与方法の選択肢が依然必要とされています。CheckMate-67T試験の結果により、ニボルマブ皮下注の薬物動態の非劣性、およびオプジーボ点滴静注と一貫した奏効率と安全性のデータが示されたことをうれしく思います。5分以内に1回で投与が完了するため、この新たな選択肢は患者さんと医師の双方にとってこれまでの治療法に変革をもたらすことでしょう」