ALK陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法としてアレセンサを評価したALINA試験の結果を発表
2023/11/29
文:がん+編集部
完全切除されたALK融合遺伝子陽性の早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法として、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)を評価したALINA試験の結果を発表。無病生存期間の改善が認められました。
アレセンサ、化学療法と比較して再発または死亡リスクが76%低下
中外製薬株式会社は2023年10月20日、ALINA試験の主要解析の結果を発表しました。
ALINA試験は、1B(腫瘍が4cm以上)~3A期のALK陽性非小細胞肺がんを完全切除した患者さん257人を対象に、術後補助療法としてアレクチニブとプラチナ製剤をベースとした化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、副次評価項目は全生存期間、有害事象の発現状況などでした。
主要解析の結果、アレクチニブは化学療法と比較して再発または死亡リスクを76%低下させました。また、中枢神経系における無病生存期間の解析でも、臨床的に意義のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性プロファイルは認められませんでした。
同社の代表取締役社長 CEOの奥田修氏は、次のように述べています。
「当社が創製したアレセンサが、ALK阻害剤として初めて第3相臨床試験においてALK陽性早期非小細胞肺がんの再発または死亡リスクの大幅な低下を示したデータが発表されたことを大変嬉しく思います。約半数の患者さんが再発を経験する早期非小細胞肺がんに対して、治癒の可能性をもたらす術後補助療法は切望されています。ロシュと協働のもと、新たな治療法となり得ることを示した本データを世界各国の当局へ提出し、患者さんにいち早く本剤をお届けできるよう邁進してまいります」