EGFRex20挿入変異陽性非小細胞肺がんを対象に「RYBREVANT+化学療法」を評価した臨床試験の最新結果を発表
2023/12/12
文:がん+編集部
新たに診断されたEGFRエクソン20挿入変異がある非小細胞肺がんを対象に、「アミバンタマブ(製品名:RYBREVANT)+化学療法」を評価したPAPILLON試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。
「RYBREVANT+化学療法」、化学療法と比較して病勢進行または死亡のリスクを60%低減
ヤンセンファーマは2023年10月21日、PAPILLON試験の新たなデータを発表しました。
PAPILLON試験は、EGFRエクソン20挿入変異がある進行性または転移性非小細胞肺がんを新たに診断された患者さん308人を対象に、一次治療として「アミバンタマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全奏効率、最初の治療の後に行った治療後の無増悪生存期間、病勢進行までの期間、全生存期間などでした。
解析の結果、「アミバンタマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを60%低減。また、全奏効率および最初の治療の後に行った治療後の無増悪生存期間の有意な改善も認められました。全奏効率は「アミバンタマブ+化学療法」併用療法73%、化学療法47%でした。
「アミバンタマブ+化学療法」併用療法では、EGFRおよび間葉上皮転換に関連する毒性が認められました。その大部分はグレード1および2で、爪囲炎、発疹、低アルブミン血症、末梢性浮腫などでした。また、可逆的な好中球減少症の高い発現率が認められた以外は、化学療法に起因する血液毒性および消化器毒性の発現率は両グループで同程度でした。有害事象により投与を中止した患者さんの数は、いずれのグループでもごくわずかでした。「アミバンタマブ+化学療法」併用療法の安全性プロファイルは、個々の薬剤の安全性プロファイルと一貫していました。
Versailles Saint Quentin Universityの呼吸器内科教授、パリ・Curie研究所腫瘍内科部門長で、筆頭著者のNicolas Girard医師は、以下のように述べています。
「EGFRエクソン20挿入変異を有する患者さんのプラチナ製剤による化学療法後の二次治療では、これまでもRYBREVANTによる有望なアウトカムが示されています。しかし、より早い段階から病勢進行に対処し、患者さんの適切な治療アウトカムを達成するために、一次治療から標的療法が行われるのが一般的です。PAPILLON試験で認められた無増悪生存期間およびその他の有効性に関する評価項目における有意な改善は、RYBREVANTと化学療法の併用療法が、将来これらの患者さんに対する一次治療レジメンとなる可能性を支持するものです」