「タフィンラー+メキニスト」、BRAF V600E遺伝子変異陽性固形がんと有毛細胞白血病の効能・効果で追加承認
2024/01/23
文:がん+編集部
「ダブラフェニブメシル(製品名:タフィンラー)+トラメチニブ ジメチルスルホキシド(製品名:メキニスト)」併用療法が、「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」および「BRAF遺伝子変異を有する再発または難治性の有毛細胞白血病」に対する効能・効果で追加承認されました。
「タフィンラー+メキニスト」、BRAF V600E遺伝子変異陽性の15種類を超えるがん種を対象とした5試験で有効性を示す
ノバルティスファーマは2023年11月24日、「ダブラフェニブメシル+トラメチニブ ジメチルスルホキシド」併用療法が、BRAF遺伝子変異陽性固形がんと有毛細胞白血病の効能・効果で追加承認されたことを発表しました。今回の承認は、X2201試験、XUS35T試験、NCCH1901試験、A2102試験、X2101試験の5つの試験の結果に基づくものです。
BRAF V600E遺伝子変異陽性の15種類を超えるがん種を対象とした5つの臨床試験から、「ダブラフェニブメシル+トラメチニブ ジメチルスルホキシド」併用療法の代替治療選択肢がない患者さんに対する有効性が認められました。
X2201試験では、標準的な治療選択肢のないBRAF V600E遺伝子変異がある固形がん患者さんと、BRAF V600E遺伝子変異がある再発または難治性の有毛細胞白血病患者さんを対象としました。解析の結果、がん種により分類した各組織型コホートにおける奏効率は、甲状腺未分化がん56%、胆道がん53%。グレード1または2の神経膠腫69%、グレード3または4の神経膠腫33%、有毛細胞白血病89%などでした。
また、成人を対象としたX2201試験および小児を対象としたX2101試験で発現した有害事象は、既承認適応症を対象とした臨床試験成績と大きな違いはなく、申請適応症および小児患者さんに特有の安全性上の懸念は認められませんでした。
同社のレオ・リー代表取締役社長は、次のように述べています。
「同併用療法は、患者申出療養の経過や文献レビューの結果からも裏付けられ、発がん性BRAF V600E遺伝子変異が組織非依存的に作用するドライバー変異であることを示唆しています。BRAF遺伝子変異を有する患者さんの多くは、標準治療が確立していない希少がんの診断を受け、治療を受けている方が多く、そうした患者さん、そしてご家族の不安や負担は計り知れません。同併用療法は、BRAF遺伝子変異を有する組織球症を含めた固形腫瘍への臓器横断的な効能として初めて承認された唯一のBRAF/MEK阻害薬であり、小児患者さんへの使用については、承認された唯一のBRAF/MEK阻害薬です。今回の追加承認が患者さんだけでなく、ご家族や治療に臨まれる医療従事者の方々の負担軽減と希望につながることを期待しています」