キイトルーダ+インライタ併用療法、腎細胞がんの初回治療でFDAに承認
2019/05/13
文:がん+編集部
進行性の腎細胞がんの初回治療として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)とアキシチニブ(製品名:インライタ)の併用療法が、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。
死亡リスクを47%低下した治験の結果に基づき承認
MSDは4月26日に、進行性腎細胞がんの初回治療として抗PD-1抗体ペムブロリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブの併用療法が、FDAに承認されたことを発表しました。今回の承認は、KEYNOTE-426試験の結果に基づくものです。
KEYNOTE-426試験は、全身治療歴のない腎細胞がん患者さん861人を対象とした第3相臨床試験です。ペムブロリズマブ200mgを最長24か月間、3週ごとに1回静脈内投与+アキシチニブ5mgを1日2回経口投与する併用療法群432人と、スニチニブ(製品名:スーテント)50mgを4週間1日1回経口投与後2週間休薬群429人で比較したところ、併用療法群が全生存期間、無増悪生存期間、奏効率ともに統計学的に有意に延長し、死亡リスクが47%低下、疾患進行または死亡リスクが31%低下という結果でした。この結果は、リスク分類およびPD-L1発現の有無にかかわらず、一貫していました。
ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法の安全性の評価では、致死的な有害事象が3.3%、重篤な副作用が40%で報告されました。1%以上に認められた有害事象は、肝毒性7%、下痢4.2%、急性腎障害2.3%、脱水1%、肺臓炎1%でした。
同社クリニカルリサーチ バイスプレジデントであるScot Ebbinghaus博士は「進行性腎細胞がんの患者さんにとって、これは新たな治療選択肢であり、初回治療としての併用療法に用いる薬剤としてキイトルーダを使用できるようになります。このたびの承認は、がん患者さんに対する当社の取り組みを反映するものであり、進行性腎細胞がんの患者さんの生存期間延長を目指してキイトルーダを使用することが適切であることを裏付けるものです」とコメントしています。
※適応症と安全性重要情報は米国のものであり、日本国内の情報ではありません。