がん光免疫療法、開発中の楽天メディカルが事業戦略説明会を開催

文:がん+編集部

 がん光免疫療法を開発中の楽天メディカルが、事業戦略記者説明会を初めて開催しました。1日でも早く光免疫療法を届けたいとのことです。

楽天メディカル社、医薬品および医療機器製造販売業の許可取得

 楽天メディカル社は7月1日に、「がん克服に向けた、持続可能な医療エコシステム構築へ」と題した報道関係者向けの事業戦略説明会を開催しました。

 がん光免疫療法は、EGFRと選択的に結合するセツキシマブ(製品名:アービタックス)に光吸収体であるIR-700を付加した複合体「ASP-1929(RM-1929)」を患者さんに投与した後、赤外線を病変に照射することで、IR-700が赤外線に反応して発熱し、がん細胞の細胞膜が変性する仕組みにより、がん細胞を破壊する治療法です。また、破壊されたがん細胞は、免疫を誘導します。

 同説明会では、がん光免疫療法の主な臨床試験の状況について発表がありました。頭頸部扁平上皮がん患者さんを対象に、米国で第1/2相臨床試験、国内で第1相試験が実施されました。また、局所再発頭頸部がんを対象としたRM-1929によるがん光免疫療法の第2a相臨床試験の結果、全奏効率43%であったと2019年の米国臨床腫瘍学会で発表したとのことです。現在、再発頭頸部扁平上皮がんを対象とした国際共同第3相臨床試験が、世界数十か国で進められています。国立がん研究センター東病院では、医師主導型研究による食道がんを対象とした臨床試験が開始され、患者登録も進められています。米国の第1/2相試験、国内第1相試験、第2a相試験ともに、光免疫療法単独で評価された臨床試験です。現在進行中の第3相試験では、ドセタキセルと光免疫療法を比較して、全生存期間や無増悪生存期間などで評価されます。

 同社会長兼最高経営責任者の三木谷浩史氏は、光免疫療法の今後の開発戦略として「現在進めている頭頸部がんと食道がんから、EGFRを発現しているがんを中心に適応の拡大を目指します。さらに、抗体の変更や医療機器の追加開発により、適応になるがん種の拡大を目指します」と、述べています。

 光免疫療法は、2019年4月にASP-1929医薬品に係わる先駆け審査指定制度の対象品目に指定されましたが、本日の記者発表では、2019年5月に東京都庁より第一種医薬品製造販売業と第一種医療機器製造販売業の許可を取得したことも発表されました。これにより同社は、医療用医薬品および、高度管理医療機器(クラス3、4)を含む医療機器の製造販売を行うことが可能になりました。開発から患者さんに治療法を届けるまで一貫して責任を持つ総合バイオテクノロジー企業として、1日でも早く患者さんに同社の治療法を届けるため、業務に取り組んでいくとしています。