BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がん患者さんの割合は24.1%

文:がん+編集部

 日本人の卵巣がんに関する調査において、BRCA遺伝子変異陽性の患者さんの割合は14.7%でした。進行卵巣がんは24.1%、早期卵巣がんは4.9%という結果が分かりました。

卵巣がん全体の保有率は、14.7%で欧米保有率と同程度

 アストラゼネカは7月9日、卵巣がんにおけるBRCA1およびBRCA 2遺伝子変異の保有率に関する大規模調査「Japan CHARLOTTE study」の結果を発表しました。国内63の医療施設で、新規に上皮性卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がんの患者さんを対象に、BRCA遺伝子変異の保有率を調査したもの。2016年12月~2018年6月までに登録された666人のうち、BRCA遺伝子検査が実施された634人の患者さんが対象でした。

調査の結果、新規診断を受けた卵巣がんにおけるBRCA遺伝子変異陽性の割合は14.7%、ステージ3期または4期の進行卵巣がんにおけるBRCA遺伝子変異陽性の割合は24.1%、早期卵巣がんは4.9%と判明。また、卵巣がんの種類別では、上皮性卵巣がんで12.7%、卵管がんで29.2%、原発性腹膜がんで21.2%でした。短期間で発症し、進行がんが多い高異型度漿液性がんでは、BRCA遺伝子変異が28.5%と最も多くも見られました。

BRCA1およびBRCA2は損傷したDNAの修復を担う遺伝子で、細胞のがん化を抑制する働きがあります。これら遺伝子のいずれかに変異があることで、DNAの正常な修復が妨げられ、卵巣がんや乳がんになりやすくなると考えられています。一般の人に比べて卵巣がんの発症率は、BRCA1に変異がある場合は39~60倍、BRCA2に変異がある場合は16~27倍高くなるといわれています。

 CHARLOTTEの共同研究者である新潟大学医学部産科婦人科学教室の榎本隆之先生は、「日本人におけるBRCA遺伝子変異の保有率が明らかになったことで、患者さんが遺伝子検査の目的を理解し、より納得して検査を受けていただけることを期待しています。遺伝子変異の有無を確認することにより、われわれ医師も患者さんにとってより最適な治療を選択することが可能となります」と、述べています。

Japan CHARLOTTE studyの主な結果

ステージBRCA1および2BRCA1BRCA2
1~4期14.7%9.9%4.7%
3~4期24.1%16.3%7.7%
がん種BRCA1および2
上皮性卵巣がん12.7%
卵管がん29.2%
原発性腹膜がん21.2%