キイトルーダ+化学療法、トリプルネガティブ乳がんの治験で完全奏効を達成

文:がん+編集部

 トリプルネガティブ乳がんに対する治験で、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)と化学療法の併用が、主要評価項目である完全奏効を達成しました。

PD-L1発現率に関わらず完全奏効率を有意に改善

 米メルク社は7月29日、トリプルネガティブ乳がんに対する、ペムブロリズマブと化学療法の併用を評価する第3相試験KEYNOTE-522試験において、術前薬物療法後の主要評価項目の1つである病理学的完全奏効率を達成したことを発表しました。

 KEYNOTE-522試験は、トリプルネガティブ乳がん患者さん1,174人を対象に実施。無作為に2つのグループに割り付けられ、1つのグループは、術前にペムブロリズマブと化学療法、術後にペムブロリズマブを投与。もう一方は、術前にプラセボと化学療法、術後にプラセボが投与されました。

 主要評価項目は、「病理学的完全奏効率」と無イベント生存率で、ここでの病気学歴完全奏効率は、術前術後の病理学的標本を用いた解析で残存腫瘍が認められないことと定義されました。副次的評価項目は、「病理学的完全奏効率」、PD-L1発現患者さんの無イベント生存率、全生存期間、安全性、患者報告アウトカムです。副次的評価項目としての病理学的完全奏効率は、乳房とリンパ節の両方で、浸潤性と非浸潤性両方の腫瘍がないことと定義されました。

 中間解析の結果、ペムブロリズマブと化学療法の併用は、化学療法単独に比べて、PD-L1の発現状況に関わらず、統計学的に有意な病理学的完全奏効率の改善が認められました。また、無イベント生存率の評価は継続してフォローアップされます。この治験でのペムブロリズマブの安全性に関しては、これまでに報告された安全性プロファイルと一貫し、新たな安全性シグナルは確認されていません。

 同社研究開発本部責任者のRoger M. Perlmutter博士は、「この革新的デザインのキイトルーダ試験において、抗PD-1抗体と化学療法の併用療法としては初めて、トリプルネガティブ乳がんの術前薬物療法の病理学的完全奏効率を統計学的に有意に改善しました。トリプルネガティブ乳がんは診断から5年以内の再発率が高く、進行の早い乳がんです。このたびの結果は心強く、今後規制当局とデータを共有し、医学学会でも発表する予定です」と、述べています。