ダラザレックス、未治療の多発性骨髄腫を対象に適応追加承認

2019/09/09

文:がん+編集部

 ダラツムマブ(製品名:ダラザレックス)が、未治療を含む多発性骨髄腫に対する効能・効果の適応追加承認を取得しました。

併用療法の治験で無増悪生存期間を有意に延長

 ヤンセンは8月22日、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者さんに対して、ダラツムマブの効能・効果の追加に係る製造販売承認事項の一部変更承認を取得したことを発表しました。ダラツムマブ+ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロンの併用療法を対象としたものです。同療法を評価したALCYONE試験では、無増悪生存期間の有意な延長を示しています。

 ALCYONE試験には、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、ダラツムマブ+ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン併用療法とボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン併用療法の有効性を比較検討した試験です。同試験の333例中193例で副作用が認められました。主な副作用は、急性輸液反応103例、好中球減少71例、血小板減少63例、貧血28例、呼吸困難24例でした。新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の代表取締役社長のクリス・フウリガンは「今回の承認は、新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんおよび、治療に携わる医療従事者の方々にとって治療の選択肢が増えます。ダラザレックスは多発性骨髄腫の治療において、早期の段階で疾患の進行を止めることを目的に他のレジメンとの組み合わせなど、その可能性を引き続き評価してまいります」と、述べています。