テセントリク、PD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんで適応拡大

文:がん+編集部

 アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)が、免疫チェックポイント阻害剤として、国内で初めてPD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんに対して承認を取得しました。

テセントリク併用療法、治験では無増悪生存期間を有意に延長

 中外製薬は9月20日、PD-L1陽性、手術不能または再発トリプルネガティブ乳がんに対して、アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)が適応拡大の承認を取得と発表しました。今回の承認は、第3相臨床試験IMpassion130試験の結果に基づくものです。

 IMpassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性のトリプルネガティブ乳がんの患者さんを対象とした多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同臨床試験です。アテゾリズマブ+化学療法(パクリタキセル)併用と化学療法単独を比較して、無増悪生存期間と全生存期間で評価されました。

 ITT解析集団とPD-L1陽性の患者さんで解析した結果、どちらの患者群でもアテゾリズマブ併用療法が、化学療法単独に対して、無増悪生存期間を延長しました(ITT集団 中央値:7.2か月vs 5.5か月、ハザード比:0.80、95%信頼区間:0.69-0.92、p値=0.0025/PD-L1陽性集団 中央値:7.5か月vs 5.0か月、ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.49-0.78、p値<0.0001)。

 ITT解析集団における全生存期間の延長に関して、2回目の中間解析時点では、統計学的有意差が認められませんでした。一方、PD-L1陽性患者さんでは、臨床的意義のある延長は認められたものの、階層構造に基づいた統計解析を行う試験のため、検証的な位置づけではありませんでした。ITT解析集団の全生存期間は、中央値:21.0か月vs 18.7か月、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.72-1.02、p値=0.078、PD-L1陽性集団の全生存期間は、中央値:25.0か月vs18.0か月; ハザード比:0.71、95%信頼区間:0.54-0.93でした。

 同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康氏は「このたびテセントリクが免疫チェックポイント阻害剤として、国内で初めてPD-L1陽性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する治療薬として承認されたことを大変嬉しく思います」と、述べるとともに「TNBCは進行が早く、これまで治療選択肢が限られていましたが、今回の承認により新たにがん免疫治療ベースの治療法を提供することが可能となります。本治療を通じて、患者さんに貢献できるよう活動をおこなっていきます」と、述べています。