トリプルネガティブ乳がんに対する術前薬物治療の治験「KEYNOTE-522試験」の詳細情報を発表

文:がん+編集部

 早期のトリプルネガティブ乳がんの術前化学療法に対する治験で、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)と化学療法併用は、病理学的完全奏効率64.8%。統計学的有意に改善しました。

キイトルーダ+化学療法、進行・再発リスクを37%低減

 米メルク社は9月30日、早期のトリプルネガティブ乳がん患者さんに対する術前・術後薬物療法を評価した第3相KEYNOTE-522試験について、詳細な結果を発表しました。

 KEYNOTE-522試験は、術前にペムブロリズマブ+化学療法を、術後にペムブロリズマブ単独投与した患者さんと、術前に化学療法+プラセボ、術後にプラセボを投与した患者さんで比較されました。

 その結果、術前にペムブロリズマブ+化学療法を行った患者さんの完全奏効率は64.9%、化学療法単独が51.2%で、完全奏効率が統計学的有意に改善しました。この結果は、PD-L1の発現にかかわらず認められています。また、無イベント生存期間でもペムブロリズマブ+化学療法は良好な傾向がみられ、術前化学療法期の進行および術後化学療法期の再発リスクを37%低下しました。

 Barts Cancer Institute、Centre for Experimental Cancer MedicineのリーダーであるPeter Schmid博士は「トリプルネガティブ乳がんの治療を専門とする腫瘍医として、本試験においてキイトルーダと化学療法との併用による術前薬物療法により病理学的完全奏効率が有意に上昇し、無イベント生存期間に良好な傾向が認められたことは実に励みになります。トリプルネガティブ乳がんの患者さんにおいては病理学的完全奏効率を向上させる新たな治療法が大いに必要とされています」と、述べています。

 また、Triple Negative Breast Cancer Foundationの専務理事であるHayley Dinerman氏は「KEYNOTE-522試験の結果は、科学の進歩を特に必要しているトリプルネガティブ乳がんの患者さん、ご家族、治療に携わる医療従事者にとって心躍るものです。私たちはトリプルネガティブ乳がんの患者さんの支援に尽力しており、初期の治療に焦点を当てた新たなデータが出たことをうれしく思います」と、述べています。