テセントリク、PD-L1高発現の非小細胞肺がんの治験で生存期間延長
2019/11/08
文:がん+編集部
PD-L1高発現の非小細胞肺がんに対する治験で、アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)が、化学療法と比較して生存期間を延長。
米FDA、欧EMAなど世界各国でIMpower110試験結果を提出予定
スイスのロシュ社は9月27日、アテゾリズマブ単剤による一次治療を評価した第3相IMpower110試験の結果を発表しました。
IMpower110試験は、PD-L1発現が確認され、ALK融合遺伝子陰性またはEGFR変異のない化学療法未治療の進行性の非小細胞肺がん572人を対象とした臨床試験です。
中間解析の結果、PD-L1高発現の患者さんで、アテゾリズマブ単剤を投与されたケースでは、化学療法単独(シスプラチンまたはカルボプラチン+ペメトレキセドもしくはゲムシタビン)と比較して、全生存期間で7.1か月延長されました(中央値:20.2か月対13.1か月、ハザード比:0.595、95%信頼区間:0.398~0.890、p=0.0106)。
PD-L1中発現の患者さんを含めた解析では、全生存期間の延長傾向は見られたものの、統計学的な有意差は認められませんでした(中央値:18.2か月対 14.9か月、ハザード比:0.717、95%信頼区間:0.520~0.989)。
本試験でのアテゾリズマブの安全性に関しては、これまで認められていた安全性プロファイルと一致しており新たな安全性シグナルは認められませんでした。
本試験は、引き続きPD-L1低発現の患者さんに対する最終解析まで継続予定。同社は、この成績を米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)などの世界各国の規制当局に提出予定です。