イレッサ+化学療法併用、EGFR陽性非小細胞肺がんで生存期間を延長

文:がん+編集部

 EGFR陽性の進行非小細胞肺がんに対して、ゲフィチニブ(製品名:イレッサ)と化学療法を併用した治療法を開発。従来の標準治療と比べ、無増悪生存期間が大幅に延長されました。

非小細胞肺がん、「使い逃さない」新たな治療戦略

 東北大学は11月13日、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する新しい治療法を開発したことを発表しました。同大大学院医学系研究科緩和医療学分野の井上彰教授らの研究グループによるものです。

 井上彰教授らは、2010年にEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんに対して、ゲフィチニブが従来の化学療法と比べ、高い有効性があることを世界に先駆け報告し、現在は標準治療となっています。しかし、ゲフィチニブ治療中に病態が悪化した患者さんの約3割が、その後の治療として抗がん剤による治療へ移行できないという課題がありました。研究グループは、そうした患者さんに対して有効な治療法を「使い逃さない」治療戦略として、ゲフィチニブと抗がん剤を同時に併用する新たな治療法の開発に取り組んできました。

 研究グループが行った臨床試験は、EGFR遺伝子変異陽性の転移性非小細胞肺がんと新たに診断された患者さん345人を対象に行われました。ゲフィチニブ単独群とゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド(製品名:アリムタ)併用群で検討したところ、併用療法での生存期間中央値が50か月を超えました。複数の抗がん剤を投与するため、安全性に関して懸念がありましたが、従来から認められている白血球や血小板の減少といった骨髄抑制がありましたが、十分に制御可能なものでした。