オプジーボ、進行・再発の食道がんと大腸がんで適応拡大

2020/03/05

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)について、2つの効能または効果の追加にかかわる国内製造販売の承認を取得。進行・再発の食道がんと、進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する大腸がんに対する適応拡大です。

食道がんの治験では全生存期間を有意に延長、大腸がんの治験では奏効率で有効性を示す

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは2月21日、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の、食道がんおよびMSI-Highを有する結腸・直腸がんに対して、ニボルマブの国内製造販売承認の一部変更の承認を小野薬品が取得したことを発表しました。食道がんの適応拡大はATTRACTION-3試験、結腸・直腸がんの適応拡大はCheckMate-142試験の結果に基づきます。

 ATTRACTION-3試験は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系製剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者さん419人を対象に、ニボルマブと化学療法(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を比較して、全生存期間などで評価した臨床試験です。PD-L1の発現レベルにかかわらず、ニボルマブは化学療法に対し、全生存期間を統計学的に有意な延長を示しました。安全性に関しても、これまで報告された安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 CheckMate-142試験は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による治療中、または、治療後に病勢進行か忍容性がなかった再発/転移性のMSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する結腸・直腸がん患者さんを対象に、ニボルマブを投与し、奏効率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間などで評価された試験です。試験の結果、ニボルマブは、主要評価項目である奏効率で有効性を示しました。安全性に関しても、これまで報告された安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。