キイトルーダ、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫の治験で無増悪生存期間を有意に延長

2020/03/23

文:がん+編集部

 再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を評価した治験で、主要評価項目である無増悪生存期間を達成しました。

KEYNOTE-204試験、古典的ホジキンリンパ腫に対するキイトルーダ適応の力強い裏付け

 米メルク社は3月2日、ペムブロリズマブを評価する第3相試験KEYNOTE-204試験で、主要評価項目の1つである無増悪生存期間を達成したことを発表しました。

 KEYNOTE-204試験は、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者さん304人が対象。ペムブロリズマブ単独療法と、ブレンツキシマブ ベドチン(製品名:アドセトリス)を比較して、主要評価項目の無増悪生存期間と全生存期間、副次的評価項目の奏効率、完全寛解率、安全性などで評価した臨床試験です。

 中間解析の結果、ペムブロリズマブは、ブレンツキシマブ ベドチンと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間の改善が認められました。全生存期間に関しては、今回の中間解析では正式な分析は実施されず、評価は継続されます。安全性に関しては、これまで報告された安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 ペムブロリズマブは2017年3月に、第2相KEYNOTE-087試験の結果に基づき、難治性または3回以上の治療後に再発した古典的ホジキンリンパ腫の小児および成人患者さんを対象として米国食品医薬品局から承認されており、KEYNOTE-204試験は、この適応に関する検証的な試験です。

 同社の研究開発本部 オンコロジークリニカルリサーチ バイスプレジデントであるJonathan Cheng博士は、次のように述べています。

 「古典的ホジキンリンパ腫の患者さんには若い人が多く、標準治療で寛解しない場合、治療が難しくなります。この第3相試験でキイトルーダは、現在承認されているブレンツキシマブ ベドチンによる治療との直接比較において、統計学的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間の延長が認められました。このデータは、古典的ホジキンリンパ腫に対するキイトルーダの現在の適応の力強い裏付けとなり、当社は速やかにこのデータを規制当局に提出する予定です」