がん患者を「介護する人」の不安や苦痛は「ビデオ通話」で軽減

文:がん+編集部

 がん患者さんの家族をはじめとする介護者の不安や苦痛の軽減に、「ビデオ通話」が効果的であるという研究結果が発表されました。

医療従事者やがん専門医との定期的なビデオ通話が有効な可能性

 がん患者さんの居場所から遠くに離れて暮らす介護者は、近くで介護にかかわっている人よりも頻繁に不安や苦痛を訴えます。直接会うことで得られるはずの情報の不足や、患者さんの状態を正確に把握することができないことに一因があると考えられます。

 米ケース・ウェスタン・リザーブ大学らの研究グループは、がん患者さんの居場所から1時間以上かかる場所に離れて暮らす介護者(以下、遠隔介護者)441人を対象に、ビデオ通話を用いた医療的な介入が不安や苦痛の軽減につながるかを検証するため実験を行いました。遠隔介護者の平均年齢は47歳、71%が女性で、63%が患者さんの子どもでした。また、患者さんの平均年齢は65歳、60%は女性で、30%が消化器系のがん、18%が血液がん、さらに、固形腫瘍のある患者さんのうち59%がステージ4でした。

 441人は無作為に3つのグループに分けられました。グループ1は、ナース・プラクティショナー(医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護の資格、米国など諸外国にある)またはソーシャルワーカーによる月に1度のビデオ通話コーチングと、患者さんとがん専門医とのオンライン診療への参加、遠隔介護者のためのウェブサイトの活用を4か月にわたって行いました。グループ2は、コーチングは受けませんでしたが、残りの2つをグループ1同様に行いました。グループ3はウェブサイトの活用のみを行いました。

 4か月後にアンケートを行った結果、グループ1の遠隔介護者のうち19.2%で不安が軽減され、24.8%で苦痛が軽減されたことがわかりました。グループ2でも17.3%で不安スコアが改善し、19.8%で苦痛スコアが改善したことがわかりました。

 新型コロナウイルス感染症の流行期では、遠隔介護者のがん患者さんに対する不安は募る一方です。この結果は、そうした状況下でも、ビデオ通話による介入が遠隔介護者の不安と苦痛の軽減に有効であることを示しています。