ペボネディスタットとビダーザ併用療法、高リスク骨髄異形症候群を含む希少白血病に対する臨床試験の結果をASCOとEHAで発表

文:がん+編集部

 高リスク骨髄異形症候群を含む希少白血病に対し、ペボネディスタットとアザシチジン(製品名:ビダーザ)併用療法を評価した第2相臨床試験の結果が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)と欧州血液学会(EHA)で発表されました。

特に高リスク骨髄異形症候群で、複数の評価項目で臨床的に意義のある有効性を示す

 武田薬品工業は、ASCO 2020(5月29日~6月2日開催)と第25回EHA(6月11日~14日開催)で、高リスク骨髄異形症候群を含む希少白血病に対する「Pevonedistat-2001試験」の結果を報告しました。

 Pevonedistat-2001試験は、高リスク骨髄異形症候群、高リスク慢性骨髄単球性白血病、低芽球性急性骨髄性白血病患者さん120人を対象に、ペボネディスタットとアザシチジン併用療法(ペボネディスタット併用)とアザシチジン単独療法を比較して、有効性と安全性を評価した臨床試験です。

 主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無イベント生存期間(治療成功期間)、6か月生存率、1年生存率、完全寛解率、輸血非依存達成率、安全性などでした。

 全患者さんの全生存期間の中央値は、ペボネディスタット併用21.8か月、アザシチジン単独19.0か月。無イベント生存期間は、ペボネディスタット併用21.0か月、アザシチジン単独16.6か月でした。全生存期間の解析では、統計学的有意な差は認められませんでしたが、ペボネディスタット併用はアザシチジン単独と比較して、全生存期間の延長と無イベント生存期間の改善傾向がみられ、臨床的に意義のある延長を示しました。

 サブグループ解析の結果は以下の通りです。

・高リスク骨髄異形症候群(67人)
全生存期間の中央値:ペボネディスタット併用23.9か月、アザシチジン単独19.1か月
無イベント生存期間の中央値:ペボネディスタット併用20.2か月、アザシチジン単独14.8か月
全奏効率:ペボネディスタット併用79.3%、アザシチジン単独56.7%
完全寛解率:ペボネディスタット併用51.7%、アザシチジン単独26.7%
奏効期間の中央値:ペボネディスタット併用34.6か月、アザシチジン単独13.1か月
輸血非依存達成率:ペボネディスタット併用69.2%、アザシチジン単独50.0%
(治療開始前に赤血球輸血に依存していた患者さんのうち、輸血に依存しなくなった割合)

・低芽球急性骨髄性白血病(36人)
全生存期間の中央値:ペボネディスタット併用23.6か月、アザシチジン単独16.0か月

・高リスク慢性骨髄単球性白血病(17人)
全生存期間と無イベント生存期間の中央値:ペボネディスタット併用より、アザシチジン単独の方が延長

 安全性に関しては、ペボネディスタット併用はアザシチジン単独と同様で、骨髄抑制の増加は認められませんでした。両グループで認められたグレード3以上の主な有害事象(ペボネディスタット併用:アザシチジン単独)は、好中球減少症(33%:27%)、発熱性好中球減少症(26%:29%)、好中球数の減少(21%:10%)、貧血(19%:27%)、血小板減少症(19%:23%)、肺炎(12%:10%)でした。治療中に死亡した患者さんは、ペボネディスタット併用が9%、アザシチジン単独が16%でした。

 同社は今回の発表に際し、次のように述べています。

 「これらの結果により、ペボネディスタットとアザシチジンの併用療法は非常に有効であり、有望な治療法であることが示されるとともに、高リスク骨髄異形症候群患者においては、アザシチジン単剤療法と同様の安全性プロファイルであり、全生存期間、無イベント生存期間、完全寛解率および輸血非依存達成率を含む臨床的に意義のある複数の評価項目でも有用性が示されました」