キイトルーダ、MSI-High大腸がんの治験で標準化学療法と比較して優越性を示す

文:がん+編集部

 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)の大腸がんに対し、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)と標準化学療法を比較した臨床試験で、ペムブロリズマブの優越性が認められました。

キイトルーダ、標準化学療法に対し病勢進行または死亡リスクを40%減少

 米メルク社は5月28日、MSI-Highまたはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)がある治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの一次治療として、ペムブロリズマブを評価した第3相KEYNOTE-177試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-177試験は、ペムブロリズマブ単独療法と標準化学療法(mFOLFOX6、mFOLFOX6+ベバシズマブ、mFOLFOX6+セツキシマブ、 FOLFIRI、FOLFIRI+ベバシズマブ、FOLFIRI+セツキシマブのいずれか)を比較した臨床試験です。

 主要評価項目は無増悪生存期間と全生存期間、副次的評価項目は奏効率でした。解析の結果、無増悪生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ16.5か月に対し、標準化学療法8.2か月で、病勢進行または死亡リスクを40%減少させました。本試験は予定通り継続し、もう一つの主要評価項目である全生存期間の評価が行われます。

 副次的評価項目の奏効率は、ペムブロリズマブ43.8%に対し、標準化学療法33.1%でした。奏効率の内訳は、ペムブロリズマブで完全奏効率11.1%、部分奏効率32.7%、標準化学療法で完全奏効率3.9%、部分奏効率29.2%でした。

 安全性に関しては、グレード3以上の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ22%、標準化学療法66%で、新たな安全性シグナルは認められませんでした。免疫関連の有害事象や急性輸液反応は、ペムブロリズマブ31%、標準化学療法13%でした。最も高い頻度で認められた免疫関連の有害事象は、ペムブロリズマブが甲状腺機能低下症12%と大腸炎7%で、標準化学療法においては急性輸液反応8%でした。

 ソルボンヌ大学の腫瘍内科学教授でSt. Antoine Hospital, Assistance Publique Hôpitaux de Parisの腫瘍内科責任者のThierry Andre医師は、次のように述べています。

 「MSI-Highの進行・再発の結腸・直腸がんにおいて、キイトルーダの単独療法では疾患進行または死亡リスクが標準化学療法より40%と大幅に低減し、治療関連有害事象はより低い発現頻度でした。また、キイトルーダは奏効した患者さんたちに対して2年の長期的な効果の持続も認められました。KEYNOTE-177試験のデータは、キイトルーダの単独療法がMSI-Highの進行・再発の結腸・直腸がんの一次治療の新たな標準療法となる可能性があることを示しています」