サークリサ、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として国内承認

2020/08/03

文:がん+編集部

 再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、イサツキシマブ(製品名:サークリサ)が国内承認されました。

ICARIA-MM試験で、サークリサ併用療法が無増悪生存期間を有意に改善

 サノフィは6月29日、イサツキシマブが、再発または難治性の多発性骨髄腫の効能・効果で製造販売承認を厚生労働省に承認されたことを発表しました。今回の承認は、第3相ICARIA-MM試験のデータに基づくものです。

 ICARIA-MM試験では、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法と、同療法にイサツキシマブを併用する療法を比較した臨床試験です。イサツキシマブ併用療法は、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法と比較して、無増悪生存期間の統計学的に有意な改善を示しています。

 多発性骨髄腫は、日本では3番目に罹患数の多い血液がんです。複数の治療薬があるものの、治癒につながる治療法がなく、多くの患者さんが再発します。今回新たに承認されたイサツキシマブは、多発性骨髄腫細胞に高発現している「CD38」を標的としたモノクローナル抗体で、再発または難治性の多発性骨髄腫の効能・効果で承認されました。

 同社は今回の承認に際し、次のように述べています。

 「国内で血液疾患と移植の領域では約20年の歴史を積み重ね、これまで6つの製品と12の適応症を通じて、約5万人の患者さんの健康に貢献してまいりました。再発または難治性の多発性骨髄腫の新たな治療選択が加わり、7つの製品と13の適応症を通じて、これからもひとりでも多くの患者さんを笑顔に変えるために、引き続き努力してまいります」