BTK阻害薬ベレキシブル、「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」の効能または効果で適応追加
2020/09/14
文:がん+編集部
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬チラブルチニブ(製品名:ベレキシブル)が、「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」の効能または効果で、適応追加されました。
ONO-4059-05試験では、全奏効率88.9%、6か月時点の生存率100%
小野薬品工業は8月21日、チラブルチニブ(製品名:ベレキシブル)が、「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」の効能または効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、国内第2相ONO-4059-05試験の結果に基づくものです。
ONO-4059-05試験は、未治療および、再発・難治性の原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫の患者さん27人を対象に、チラブルチニブの有効性と安全性を評価した臨床試験です。未治療の患者さん18人、再発または難治性の患者さん9人に対し、チラブルチニブ480mgを空腹時に1日1回、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与されました。
解析の結果、主要評価項目の全奏効率が、未治療と再発・難治性ともに88.9%でした。副次的評価項目である無増悪生存期間および全生存期間は、6か月時点ではどちらも100%でした。安全性に関しては、グレード3以上の高頻度に認められた有害事象は、好中球減少症とリンパ球減少症、白血球減少症でした。
日本では、原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫の標準治療が確立されていないため、チラブルチニブの承認により、新たな治療選択として期待されます。