キイトルーダ+化学療法、進行・転移性食道がんの一次治療で、全生存期間と無増悪生存期間を延長
2020/09/24
文:がん+編集部
局所進行または転移性食道がんの一次治療として評価した臨床試験で、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)と化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して全生存期間および無増悪生存期間が有意に延長しました。
食道がんの一次治療の新たな治療選択として期待
米メルクは8月19日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブについて、局所進行または転移性食道がんに対する一次治療として、化学療法(シスプラチン+5-FU)との併用療法を評価した第3相KEYNOTE-590試験で、全生存期間および無増悪生存期間の主要評価項目を達成したことを発表しました。
KEYNOTE-590試験は、局所進行または転移性の食道腺がん、食道扁平上皮がんまたは食道胃接合部腺がん患者さん749人の一次治療として、ペムブロリズマブと化学療法併用と、化学療法とプラセボ併用(現行の標準治療)を比較した臨床試験です。主要評価項目は全生存期間および無増悪生存期間、副次評価項目は全奏効率、奏効期間および安全性などです。
中間解析の結果、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法は、標準治療の化学療法と比較して、全生存期間および無増悪生存期間を統計学的有意な延長が認められ、奏効率も有意に改善しました。安全性に関しては、これまで報告された安全性プロファイルと一致していました。
同社の研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、次のように述べています。
「食道がんは死亡率の高い深刻な悪性腫瘍で、一次治療では化学療法以外の治療選択肢がほとんどありません。今回の主要試験において、キイトルーダと化学療法との併用療法は現行の標準治療と比較して、試験対象集団全体でも、すべての評価対象とした患者集団においても、全生存期間延長効果における優越性を示しました。当社のこれらの研究成果は、キイトルーダの生存期間に対するベネフィットを裏付けるものです。できるだけ早く規制当局に報告できるよう努めてまいります」