オプジーボ+化学療法併用、進行または再発胃がんに対するATTRACTION-4試験の結果をESMOで発表

2020/10/23

文:がん+編集部

 未治療の切除不能な進行または再発胃がんを対象に、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法の併用療法を評価したATTRACTION-4試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表されました。

ニボルマブ併用、プラセボに比べて病勢進行または死亡リスクを32%低下

 小野薬品工業は9月22日、HER2陰性の一次治療未実施の切除不能な進行または再発胃がん患者さんを対象に、日本、韓国、台湾で行われた第2/3相臨床試験(ATTRACTION-4試験/ONO-4538-37)の結果をESMOで報告したことを発表しました。

 ATTRACTION-4試験/ONO-4538-37は、ニボルマブ+化学療法の併用療法と、プラセボ+化学療法併用を比較した臨床試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次的評価項目は奏効率、奏効期間などでした。

 中間解析の結果、ニボルマブ+化学療法の併用療法(362人)は、プラセボ+化学療法併用療法(362人)と比較して、無増悪生存期間で統計学的に有意な延長を示し、病勢進行または死亡リスクを32%低下させました。もう1つの主要評価項目である全生存期間では、統計学的な有意差は認められませんでした。

 安全性に関しては、グレード3~4の治療に関連した有害事象の発現率は、ニボルマブ+化学療法で57.1%、プラセボ+化学療法併用で48.6%でした。

中間解析の結果は、以下の通りです。

無増悪生存期間の中央値
ニボルマブ+化学療法:10.4か月
プラセボ+化学療法:8.3か月

12か月の無増悪生存率
ニボルマブ+化学療法:45.4%
プラセボ+化学療法:30.6%

全生存期間の中央値
ニボルマブ+化学療法:17.4か月
プラセボ+化学療法:17.1か月

奏効率
ニボルマブ+化学療法:57.5%
プラセボ+化学療法:47.8%

奏効期間の中央値
ニボルマブ+化学療法:12.9か月
プラセボ+化学療法:8.7か月

グレード3~4の治療関連有害事象の発現率
ニボルマブ+化学療法:57.1%
プラセボ+化学療法:48.6%