消化器がんを対象に、新規二重特異性抗体薬「BI 905711」を評価する第1相臨床試験を開始

文:がん+編集部

 二重特異性をもつ「BI 905711」を評価する、消化器がんを対象とした第1相臨床試験が開始されました。

二重特異性・四価治療抗体の「BI 905711」、従来の抗体では対処できない複雑な機序を標的とする可能性

 独ベーリンガーインゲルハイムは9月10日、進行性消化器がん患者さんを対象に、二重特異性・四価治療抗体のBI 905711を評価する第1相臨床試験を開始したことを発表しました。

 BI 905711は、細胞死(アポトーシス)を促進させるTNF(腫瘍壊死因子)関連の受容体「TRAILR2」と腫瘍細胞アンカーカドヘリン17「CDH17」の2つを認識し、主に消化管に見られる共発現腫瘍細胞のアポトーシス経路を活性化させる新規抗体薬です。

 米ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの早期医薬品開発および消化器がんサービス部門の主任研究員であるJames Harding博士は、次のように述べています。

 「TRAILR2/CDH17共発現がん細胞の標的化により、前臨床において抗腫瘍活性が示されました。ベーリンガーインゲルハイムと共同で進めている今回の第1相試験で、この分子を評価するのを心待ちにしています」

 また、同社のグローバルがん研究責任者のNorbert Kraut医学博士は、次のように述べています。

 「当社は、患者さんの生活を一変させるブレイクスルーを目指してオンコロジーパイプラインの拡充に取り組んでいます。このたび、BI 905711が第1相試験に進んだことをお知らせできるのは大変喜ばしいことです。この二重特異性プラットフォームは、従来の抗体フォーマットでは対処できない複雑な機序を標的とする可能性を秘めています」