オプジーボ、治癒切除不能な進行・再発の胃がんの効果・効能で承認申請
2021/01/06
文:がん+編集部
ニボルマブ(製品名:オプジーボ)が、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果で承認申請されました。
2つの臨床試験で、オプジーボ+化学療法は化学療法に対し統計学的に有意な有効性示す
小野薬品工業は12月10日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブについて、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能または効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。今回の承認申請は、CheckMate-649試験とATTRACTION-4試験の結果に基づくものです。
CheckMate-649試験 は、未治療のHER2陰性の進行または転移性胃がん、胃食道接合部がんまたは食道腺がんの患者さんを対象に、「ニボルマブ+化学療法」または「ニボルマブ+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」を化学療法と比較した第3相臨床試験です。
「ニボルマブ+化学療法」を受けたPD-L1陽性(CPS※≧5)患者さんを対象とした解析では、全生存期間の中央値が「ニボルマブ+化学療法」14.4か月、化学療法11.1か月で、死亡リスクを29%低下。無増悪生存期間の中央値は、「ニボルマブ+化学療法」7.7か月、化学療法6.0か月で、病勢進行または死亡リスクを32%低下しました。
ATTRACTION-4試験は、HER2陰性で未治療の切除不能な進行または再発胃がん(食道胃接合部がんを含む)患者さんを対象に、「ニボルマブ+化学療法(オキサリプラチンおよびS-1またはカペシタビン)」と「プラセボ+化学療法」を比較した第2/3相臨床試験です。
2020年の欧州臨床腫瘍学会で発表された中間解析では、「ニボルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」に対し、病勢進行または死亡リスクを32%低下し、統計学的有意な無増悪生存期間の延長を示しました。
※CPS(combined positive score): PD-L1陽性細胞数を総腫瘍細胞数で割り、100を掛けた数値