慢性リンパ性白血病に対するカルクエンスの心血管安全性を評価した4つの臨床試験の統合解析結果を発表

文:がん+編集部

 慢性リンパ性白血病に対し、アカラブルチニブ(製品名:カルクエンス)の心血管安全性を評価した4つの臨床試験の統合解析の結果、心臓の有害事象による治療を中止した患者さんは1%未満だったことが、米国血液学会の年次総会で発表されました。

心血管系の有害事象で、カルクエンスの治療中止になった患者さんは1%未満

 アストラゼネカは12月7日、4つの臨床試験でアカラブルチニブの治療を受けた患者さん762人に対し、心血管安全性を評価した統合解析の結果を、米国血液学会の年次総会および展示会で報告したことを発表しました。心血管系の有害事象で治療が中止になった患者さんは、1%未満でした。

 今回の統合解析は、第3相ELEVATE-TN試験、ASCEND試験、ならびに第2相15-H-0016試験および第1/2相ACE-CL-001試験の4つの臨床試験に参加したアカラブルチニブの治療を受けた患者さんが対象で、未治療または再発・難治性の慢性リンパ性白血病患者さんが含まれていました。25.9か月(観察期間中央値)時点では、グレードを問わない心血管系の有害事象が17%の患者さんで認められましたが、治療が中止された患者さんは、0.9%でした。

 全体では、91%の患者さんに心血管系の有害事象が認められました。心血管系の有害事象が認められなかった患者さんの79%が、アカラブルチニブ投与前に1つ以上の心血管リスク因子があり、心血管系の有害事象が発現した患者さんの20%以上で認められた心血管リスク因子は、高血圧(67%)、高脂血症(29%)および不整脈(22%)でした。

 投与期間24.9か月(中央値)で認められた主な心血管系の有害事象は、以下の通りです。

2%以上に発現した心臓有害事象
心房細動(4%)、心房細動/粗動(5%)、動悸(3%)、頻脈(2%)
グレード3以上の心臓有害事象
心房細動(1.3%)、完全房室(AV)ブロック(0.3%)、急性冠症候群(0.1%)、心房粗動(0.1%)、第二度AVブロック(0.1%)、心室細動(0.1%)
グレード5の有害事象
うっ血性心不全(1人)、心臓発作(1人)

 Dana-Farberがん研究所の血液悪性腫瘍部門CLLセンター所長であり、治験責任医師であるJennifer Brown医学博士は、次のように述べています。

 「慢性リンパ性白血病患者さんのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤による治療においては、心血管系の合併症が治療中止の理由となることが多いため、心臓の有害事象が考慮すべき重要事項となっています。本試験で得られたデータから、アカラブルチニブ投与に伴う心臓の有害事象のリスクは、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんの一般集団と同程度であったことが示唆されており、医師にとってアカラブルチニブを処方するうえで重要なデータであるといえます」