「テセントリク+アバスチン」併用療法、切除不能な肝細胞がんの一次治療として全生存期間を改善

2021/02/01

文:がん+編集部

 切除不能な肝細胞がんの一次治療として、「アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)+ベバシズマブ(製品名:アバスチン)」併用療法を評価した臨床試験で、全生存期間の改善が認められました。

「テセントリク+アバスチン」併用療法、ネクサバールに対し死亡リスクを34%低下

 ロシュ社は1月12日、切除不能な肝細胞がんを対象に、「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法を評価したIMbrave150試験の最新成績を米国臨床腫瘍学会・消化器がんシンポジウムで報告したことを発表しました。

 IMbrave150試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な肝細胞がん患者さん501人を対象とした第3相臨床試験です。「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法とソラフェニブ(製品名:ネクサバール)を2対1のグループに分け、病勢進行または忍容できない毒性が確認されるまで治療が継続されました。主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目は奏効率です。

 観察期間15.6か月(中央値)時点の全生存期間の最新解析では、「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法19.2か月、ソラフェニブ13.4か月で、「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法は死亡リスクを34%低下させました。安全性に関しては、これまでに認められていた安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性に関する懸念は認められませんでした。