FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル、ラロトレクチニブのNTRK陽性の固形がんに対するコンパニオン診断として国内承認
2021/02/10
文:がん+編集部
「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」が、ラロトレクチニブ(製品名:Vitrakvi)のNTRK(神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体)陽性の固形がんに対するコンパニオン診断として承認されました。
ラロトレクチニブ、NTRK陽性の局所進行・遠隔転移の固形がんの効能・効果で、厚労省が希少疾病用医薬品に指定
中外製薬は1月25日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」が、TRK(トロポミオシン受容体キナーゼ)阻害薬ラロトレクチニブの、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対するコンパニオン診断として、厚生労働省から承認されたことを発表しました。
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルは、患者さんの固形がん組織から得られたDNAを次世代シークエンサーで遺伝子解析を行うがん関連遺伝子解析システムです。国内承認済みの複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助として用いられます。
ラロトレクチニブは、NTRK融合遺伝子があるがんに対する治療薬として開発された経口TRK阻害薬です。NTRK融合遺伝子によりつくられたTRKタンパク質は、がんの増殖シグナル経路を活性化させ、がん細胞の過剰な増殖を引き起こします。ラロトレクチニブは、TRKを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制し抗腫瘍効果を発揮する分子標的薬です。
ラロトレクチニブの有効性と安全性は、バイエル社が実施した成人患者さんを対象とした第1相試験、成人および青年期患者さんを対象とした第2相NAVIGATE試験、ならびに小児患者さんを対象とした第1/2相SCOUT試験で検討されており、「NTRK融合遺伝子陽性の局所進行または遠隔転移を有する固形がん」の効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。
同社の代表取締役社長 COOの奥田 修氏は、次のように述べています。
「非常に稀な遺伝子変異であるNTRK融合遺伝子を有するがんの治療薬として開発されたラロトレクチニブのコンパニオン診断として、FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルが承認されたことは、当社が目指す個別化医療の高度化への重要な進展と考えています。ひとりでも多くの患者さんが適切な治療を選択できるよう、本プログラムの意義の理解、浸透を図って参ります」