働くがんサバイバーとがん既往歴のない人の心身状態を比較した調査結果を発表

文:がん+編集部

 働くがんサバイバーの心身状態を、がんの既往歴のない人と比較した調査結果が発表されました。

男性がんサバイバー、生き延びた幸福感に加え働くことに幸福感を感じる

 藤田医科大学は2月1日、約5万4,000人の労働者を対象に、がん既往歴のある人(がんサバイバー)とがん既往歴のない労働者の心身の状態についてアンケート調査し、働くがんサバイバーの主観的不健康、身体的機能の低下、抑うつ症状、幸福感を、がん既往歴のない労働者と比較した結果を発表しました。この研究は、「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究(次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT研究))」(主任研究者 津金昌一郎 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)による成果で、研究成果は国際学術誌「Journal of Cancer Survivorship」で発表されました。

 調査の結果、がん既往歴のない労働者に比べて、働くがんサバイバーでは、主観的不健康や身体的機能の低下を訴える割合が高く、男性のがんサバイバーでは幸福感を感じる割合が高いこともわかりました。このことは、がんから生き延びた幸福感に加え、就労していることに幸福感を感じていることを示していると考えられます。

 今回の調査から、働くがんサバイバーに対し、就労復帰後も健康感や身体的機能を向上させるためのサポートの必要性が示唆されました。

主な調査結果

がんの既往歴があると答えた労働者
男性:977人
女性:1,267人
主ながんの部位
男性:胃(26%)、大腸(22%)、前立腺(14%)
女性:乳房(38%)、大腸(9%)、胃(8%)
主観的不健康
既往ありの男性:21.3%
既往なしの男性:13.8%
既往ありの女性:23.8%
既往なしの女性:17.5%
身体的機能の低下
身体的機能の低下 既往ありの男性:6.8%
既往なしの男性:2.6%
既往ありの女性:4.9%
既往なしの女性:2.0%
抑うつ症状
既往ありの男性:21.6%
既往なしの男性:22.9%
既往ありの女性:30.0%
既往なしの女性:28.5%
幸福感
既往ありの男性:77.3%
既往なしの男性:71.7%
既往ありの女性:76.1%
既往なしの女性:74.9%