根治手術を受けた肺がん患者さんの術後補助化学療法実施に影響を与える因子調査を発表
2021/05/28
文:がん+編集部
「根治手術を受けた肺がん患者さんの術前・術後の心理状態と術後補助化学療法の決定」に関するアンケート調査の結果が、発表されました。
再発時期を遅らせるだけでも、再発を避けるためにやれることはやっておきたい
アストラゼネカは5月11日、過去10年以内に肺がんの根治手術を受けたステージ2~3の肺がん患者さん131人を対象に、手術前後に抱く不安や心情を理解するとともに、患者さんが術後補助化学療法の実施を検討する際に何を重視し、影響を受けるかを把握することを目的にWebアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。
アンケートの結果、患者さんが治療選択する際の情報入手先の80%が医師で、術後補助化学療法に対する意思決定は、医師からの説明をどのように受けとめたかで大きく左右されることが明らかになりました。また、70%の患者さんが術後補助化学療法に対し、「再発時期を遅らせるだけでも、再発を避けるためにやれることはやっておきたい」と考えていました。
本アンケート調査の監修をした、広島大学腫瘍外科の岡田 守人教授は、次のように述べています。
「根治切除を受けた患者さんが抱える不安や、治療選択時の希望が、調査結果から明らかになりました。患者さんの多くは、生存を長くすることに加えて、再発しない期間を重要視していることがわかりました。患者さんの希望を理解したうえで、医師を中心とした多職種連携チームで患者さんをサポートすることがとても重要です」
医師から術後補助化学療法の説明を受けた患者さんの主な質問と結果は、以下の通りです。
患者の情報入手先(がんと診断されたあと、治療選択を判断する時)
- 医師からの説明:80%
- 家族の意見:8%
- 書籍:4%
- 患者会の情報:2%
- 製薬会社のホームページ:2%
- その他のホームページ:2%
- 患者さんのブログ:1%
- 病院のホームページ:1%
- その他:1%
術後補助化学療法に対する考え方
前提条件:手術だけで治る可能性があるが、手術だけでは再発する可能性が一定の割合ある。術後補助化学療法によって、再発の割合を下げることができなくても再発の時期を年単位で遅らせる可能性がある
前提条件:手術だけで治る可能性があるが、手術だけでは再発する可能性が一定の割合ある。術後補助化学療法によって、再発の割合を下げることができなくても再発の時期を年単位で遅らせる可能性がある
- 術後補助化学療法を受ける:70%
- 術後補助療法を受けない:30%
術後補助化学療法を受ける人の共感ポイント(回答数=71)
再発を年単位で遅らせるなら 今やれることはやっておきたい
再発を年単位で遅らせるなら 今やれることはやっておきたい
- 非常に共感した:42%
- 共感した:41%
- やや共感した:17%
- 共感しない:0%
- 非常に共感した:27%
- 共感した:38%
- やや共感した:30%
- 共感しない:6%
- 非常に共感した:28%
- 共感した:34%
- やや共感した:31%
- 共感しない:7%
術後補助化学療法を受けない人の共感ポイント(回答数=31)
手術だけでも治る可能性や術後補助化学療法を受けても受けなくても再発する可能性がある
手術だけでも治る可能性や術後補助化学療法を受けても受けなくても再発する可能性がある
- 非常に共感した:23%
- 共感した:43%
- やや共感した:23%
- 共感しない:10%
- 非常に共感した:10%
- 共感した:40%
- やや共感した:30%
- 共感しない:20%
- 非常に共感した:23%
- 共感した:40%
- やや共感した:20%
- 共感しない:17%
調査概要
■調査目的:根治手術を受けた肺がん患者さんが術前・術後に抱く不安や心情を理解するとともに、患者の術後補助化学療法の実施を検討する際に、重視し影響を受ける点を把握する。
■調査期間:2020年10月9日~11月19日
■調査方法:Webアンケート調査
■対象者: 肺がんの根治手術を10年以内に受けたステージ2~3期の患者さん
医師から術後補助化学療法の説明を受けた患者さん :101人
医師から術後補助化学療法の説明を受けていない患者さん : 30人
■調査目的:根治手術を受けた肺がん患者さんが術前・術後に抱く不安や心情を理解するとともに、患者の術後補助化学療法の実施を検討する際に、重視し影響を受ける点を把握する。
■調査期間:2020年10月9日~11月19日
■調査方法:Webアンケート調査
■対象者: 肺がんの根治手術を10年以内に受けたステージ2~3期の患者さん
医師から術後補助化学療法の説明を受けた患者さん :101人
医師から術後補助化学療法の説明を受けていない患者さん : 30人